アメリカ大統領専用機「エアフォースワン」の撮影方法と撮影記録。2017年~2022年(羽田・横田)

世界で最も有名な飛行機といえば、アメリア大統領専用機『エアフォースワン』。

数年に1度日本に来るかどうかの、超厳重&レアな飛行機です。

そんなエアフォースワンはどうやったら撮れるのか?

その撮影方法撮影記録を書いておきます。

エアフォースワンの撮影方法

エアフォースワンの情報は非公開

flightradar24にはエアフォースワンは表示されない

エアフォースワンはアメリカ大統領専用機だけあって、その情報は中々公開されません。

航空機追跡アプリで有名な「フライトレーダー24」にも表示されません。

エアフォースワンからも飛行機の位置情報を送るADS-B信号は送信されていますが、Flightradar側の自主規制により表示されないという仕様。

リアルタイムでどこを飛んでいるのかを探るのが難しいエアフォースワンを撮影するには、「情報」が大切です。

スケジュールと飛行場の特定

エアフォースワンを撮影するためには、「飛来時刻」と「どこの飛行場に降りるか」が最重要。

とりあえずこの2つさえわかれば、撮れる可能性は大きくあがります。

日本への飛来が決まるとSNSなどで予想合戦が始まりますが、公式の情報や報道以外はあまりアテにならないので、SNSの情報を鵜呑みにすると危険。

エアフォースワンの飛来日程と飛行場を見極めるには、信頼できる情報を集めましょう。

信頼できるのは、公開されている大統領のスケジュール大統領のTwitterNOTAM報道などです。

信頼性の高い情報

さらに確実に撮影するためには、着陸のタイミングや使用滑走路(どの方向から降りてくるか)の判断が重要。

これは航空無線を聴くことで判断できます。

【完全版】エアバンド初心者のための航空無線使い方ガイド!今日から聴ける

2019年4月8日

エアフォースワン飛来時の警備状況

エアフォースワンの飛来時は、いつもは撮影できる場所も閉鎖されることがあるので、撮影時は注意。

羽田空港の場合、展望デッキが閉鎖されます。そのため、撮影する場合は屋内デッキからガラス越しで撮影するか外周ポイントから。

羽田空港撮影スポットまとめ。各ポイントごとの特徴と撮影ガイド

2018年9月20日

横田基地の場合、フェンスに張り付いての撮影が禁止されるため、それを考慮して撮影しましょう。

【関東】横田飛行場(横田基地)撮影スポットガイド YOKOTA AIR BASE Spotting Guide

2023年2月22日

エアフォースワンは機体ではなくコールサイン

大統領専用機の「VC-25A」。普段のコールサインはSAM。大統領が搭乗することでエアフォースワンのコールサインとなる

知ってる人も多いと思いますが、エアフォースワンとは機体ではなくコールサインです。

大統領専用機はVC-25Aですが、この機体自体がエアフォースワンのわけではありません。

大統領が搭乗してない時は、「SAM◯◯」と呼ばれ、

空軍機に大統領が搭乗することで「エアフォースワン」のコールサインとなります。

ハリウッド映画「エアフォースワン」でも、C-130輸送機に大統領が搭乗した瞬間に、コールサインをエアフォースワンに変更するシーンがありました。

これが海兵隊機なら「マリーンワン」、民間機なら「エグゼクティブワン」となります。

政府専用機に搭乗する安倍首相

政府専用機に搭乗する安倍首相

ちなみに日本の政府専用機の場合、普段のコールサインは「シグナス○○」で、天皇陛下や総理大臣が搭乗すると「ジャパニーズエアフォースワン」となります。

エアフォースワンの撮影記録

2022年5月22〜24日 バイデン大統領クアッド訪問(横田)

飛来日 2022年5月22日〜24日
来日事由 日米豪印クアッド首脳会合
大統領 バイデン大統領
使用飛行場 横田飛行場
使用機材 VC-25A(82-8000) C-32A(09-0016)

2022年5月22日(日)の午後、横田基地で開催中の「日米友好祭フレンドシップフェスティバル2022」の真っ只中、満員の来場者の目の前にバイデン大統領を乗せたエアフォースワンが飛来、

航空ファンにとって忘れられない出来事となりました。

今回は日米豪印クアッド首脳会合が行われるということで、エアフォースワンが日本に来るのは実に3年ぶり!

バイデン大統領の来日が発表された直後から、エアフォースワンが来るのは横田基地か?羽田空港か?どちらに降りるのか航空ファンの間で予想合戦が始まります。

実際のところこの段階ではどちらに飛来するか情報が少なく、予想するのが難しいです。

しかし今回に限っては、横田基地では5月21日(土)〜22日(日)の2日間の日程で「日米友好祭フレンドシップフェスティバル」が開催予定という事で、飛来予定日と友好祭が被ります。これまでの警備状況からすると羽田の可能性が強いかな?と考えていました。

というのも発表された日本への飛来予定時刻は17時で横田は友好祭真っ只中の時間帯。流石に来場者が多く詰めかける横田に降ろすのは流石に無いだろと…。

しかし飛来日が近づくにつれて、

報道や公開されたバイデン大統領のスケジュール、NOTAM、交通規制などの情報から横田基地への飛来がほぼ確定的に。

友好祭の真っ只中にエアフォースワンが降りてくるとかマジか!

と、それこそ実際に降りてくるまで半信半疑でした。

飛来予定当日の22日は撮影に全振りするため友好祭が楽しめなそうなのと、会場での撮影位置を決める偵察を兼ねて、前日の21日からいざ友好祭へ。

エアフォースワンだけでなく、横田基地の友好祭も何気に3年ぶり。憎しコロナ。

久々の友好祭を楽しもうと多くの航空ファンが訪れており拝島駅から既に大行列、入場まで2時間半待ちでした。

久々の友好祭を楽しみつつ、明日の撮影場所決めへ。

会場は飲食やグッズなどのブースが並ぶブースエリアと、航空機展示エリアの2つに分かれます。

友好祭は22時まで行われますが、航空機展示エリアは17時までで、17時になると展示エリアからは追い出されてしまうことが判明。

明日のエアフォースワン飛来時刻が17時なので、展示エリアからの撮影は危なそう…。という事で、当日はブースエリアの滑走路が見える位置で撮影する事に決めました。

花火やバンド演奏など、最後まで友好祭を存分に楽しみ、明日のエアフォースワン飛来に備えます。

いよいよ友好祭2日目、エアフォースワン飛来当日。しかし前日遅くまで飲んでしまった疲労から少し出遅れてしまいました。入場に時間がかかるかと思いましたが、なぜか前日よりも荷物チェックが甘くポンポンと行列が進んでいき、1時間ほどの並びで入場。

昨日の偵察から地上展示エリアでなくブースエリアに陣取り。少し出遅れたため787(報道関係者用のチャーター機)の降りには間に合いませんでしたが前の方へ陣取ることに成功、

お昼頃にはエアフォースワンを観ようと滑走路に面したエプロン最前列は多くの人で埋まりました。

展示飛行などを観ながら、エアフォースワンの到着に備えます。

到着予定時刻の17時が近づいてくると、上空ではUH-1が警戒、地上ではランウェイチェックが始まります。

ここで突如、当初17時で閉鎖予定だった航空機地上展示エリアを18時まで延長するとの発表。エアフォースワンがこの後来るとのアナウンスこそありませんが、基地側の粋な計らいである事は明らかでした。

ATISを確認するとRWYは36を使用。

エアフォースワンは韓国の鳥山(オサン)空軍基地を15時頃に離陸、予定より少し遅れて17時頃にアプローチにコンタクト、そのままRWY36へアプローチへ。

多くの人が見守る中、本当にエアフォースワンが友好祭の真っ只中にやってきました。

滑走路最前列には一応陣取ることができましたが、陣取った場所が少し悪く滑走路に対して少し北側を向くような位置だったため、南側は人に隠れてしまいます。

自衛隊の航空祭と違い踏み台も禁止されていないため、高い人が多くて見にくい…。なんとか人混みの頭越しからエアフォースワンを確認!

頭越しのエアフォースワン(笑)!

歓声が湧く中、ついにバイデン大統領を乗せたエアフォースワンが降りてきました。

めちゃめちゃカッコ良い…!!

着陸後は基地東側にある管制塔横のエプロンを目指してタキシング、スポットイン後にVH-3Dに乗り換えて都内へ向かいます。

バイデン大統領を乗せたマリーンワンは17時30頃に離陸、

随行員などが搭乗する在韓米軍のCH-47 チヌークも後を追います。

VC-25Aの着陸から約30分後の17時45分頃、ホールディング(上空待機)していた予備機のC-32Aがアプローチしてきました。

今回はVC-25Aの2機体制では無かったのが残念でしたが、基地内からC-32Aを観れるのも貴重な機会ということで。

VC-25Aと同じく滑走路東側のエプロンへ向かいます。

その後続いて17時50分頃にはC-17Aも飛来。

18時10分頃にはバイデン大統領を降ろして任務を終えたVH-3Dが赤坂から帰投、この日のミッションが終わりました。

当日公開された大統領のスケジュール

当日公開された大統領のスケジュール

5月24日、当初の予定では19時40分頃に横田を出発する予定だったエアフォースワン、撮るには完全に真っ暗だなぁーと思ってましたが、

当日公開された大統領のスケジュールから18時10分発に変更となった事を確認。

福生駅近くの拝島陸橋にて待機

22日はRWY36でしたが、ATISを確認すると本日はRWY18という事で、福生駅付近に展開し無線を聴きコンタクトを待ちます。

嘉手納からはすでに随行のE-4Bが離陸、エアフォースワンの離陸のタイミングに合わせてこちらへ飛行しています。

離陸予定の18時10分にはE-4Bは千葉県沖の太平洋上に到達、

支援のKC-135R空中給油機2機も三沢基地より離陸しており、合流に向かいます。

そしていよいよエアフォースワンがタワーにコンタクト、予定より少し遅れて18時25分頃に離陸しました。

もう少し早ければ西日に照らされたエモいVC-25Aが撮れるかなと期待しましたが、残念ながら太陽はすでに沈んだ後でした。

エアフォースワンが離陸した約30分後、辺りも大分暗くなってきた頃、予備機のC-32Aも離陸していきました。

2019年5月25〜28日 トランプ大統領国賓訪問(羽田)

飛来日 2019年5月25日〜28日
来日事由 国賓訪問
大統領 トランプ大統領
使用飛行場 羽田空港
使用機材 VC-25A(92-9000) C-32A(09-0015)

2019年5月25日〜28日にかけて、トランプ大統領が令和初の国賓として、日本を訪れました。

前回エアフォースワンが横田に来た時は、思い通りに撮れなかったので、今回羽田空港でエアフォースワンのリベンジに挑戦してきました。

その時の様子を書きたいと思います。

まずは撮影ポイント決め。

報道などにより外交日程が発表され、5月25日〜28日にかけて、国賓としてトランプ大統領が来日する事が決定。

エアフォースワンを撮影するにあたり、まず重要なのがどこに飛来するか?

考えられる選択肢としては、

  • 羽田空港
  • 横田基地
  • 厚木基地

といった辺りでしょうか。

2017年に日本を訪れた時は横田基地でしたが、今回の来日は国賓訪問という事で羽田にほぼ間違いありませんでした。

羽田空港に絞られたところで、今度は撮影場所ですね。

エアフォースワンが羽田空港に来る場合の警備状況は日本の政府専用機のものとは桁違いで、エアフォースワンの場合、警備は最も厳しくなります。

展望デッキの閉鎖は確実なので、デッキ以外から狙うしかありませんね。

今回のエアフォースワンの到着予定は午後17時頃。羽田空港では午後から南風の予報でした。

南風で考えられる選択肢としては、

撮影候補地

城南島と京浜島からはB滑走路に着陸した場合に、真横スカイショットを順光で撮影可能。

浮島からはD滑走路に着陸した場合に、転がりが撮影可能。

2タミ中央はガラス越しにはなりますが、D滑走路に着陸した場合に、転がりが撮影可能。

と言った感じですね。

今回エアフォースワンは、アメリカ本土からアラスカ経由で飛来するため北到着。北からの到着なので、羽田空港の滑走路運用を考えると、順当にいけばD滑走路の着陸になります。

しかし!エアフォースワンが駐機するVIPスポットは、B滑走路の方が近いんですよね。エアフォースワン到着時は羽田の離着陸機を全て止めなければいけない事を考えると、混雑している羽田空港の立場からすれば、止める時間の短いB滑走路に降ろしたいかな?など余計な事を考えてしまいます。

しかし前回の横田基地では、順当ではない方に賭けて失敗したので、今回はD滑走路の到着と予想しました。

D降りとなると、2タミガラス越しか浮島です。

浮島では転がりを撮るとギアの部分が隠れてしまいます。しかしデッキではギアが隠れずにグランドショットが撮れますし、真横カットも狙えます。

転がりのスポッティングカットは横田では絶対に撮れない写真ですし、羽田ならではの景色となるので、今回は2タミ中央からガラス越しで狙う事にしました。

5月25日エアフォースワンが羽田空港に到着

5月25日は土曜日という事で、2タミの中央フロアが混雑する事は当然予想ができます。

ガラス越しの撮影では、ガラス前のポジションを取る事が最重要。

羽田空港に早めに向かい、ガラス前を確保しスタンバイ。時間が経つにつれて、続々と人が集まってきます。

16時頃、私はガラス前から動けないので、後からやってきた友人に中央フロアのガラス前の様子を後ろから撮ってもらうとこんな状態に。

16時45分頃、エアフォースワンは滑走路23をリクエスト。それとほぼ同時刻、D滑走路がクローズされ、点検作業に入ります。

滑走路の予想が当たり、今回は撮影できそう。あとは着陸を待つのみです。

エアフォースワンは17時ちょうどにD滑走路へ着陸。VIPスポットへ向かうエアフォースワンを待ち構えます。

VIPスポットへタキシングするエアフォースワンがやってきました。

今回の本務機はVC-25 92-9000。

17時という時間帯、最高の光線の中で撮影する事ができました。

念願だったスポッティングカットも撮れました。

スカイショットは横田でも羽田でも撮れますが、このショットは横田では狙う事ができないだけに感動です。

羽田らしい東京ゲートブリッジとの絡みも。気温の高い5月にしてはビジも良く、いい感じに撮る事ができました。

残念ながら今回の副務機はVC-25ではなく、C-32A 09-0015。

C-32もしっかりと撮れた事がなかったので、これはこれで良かったかも。

C-32を撮影したところで、駐機を撮るべくP3駐車場へ向かいました。

P3駐車場へ到着すると、やはり多くの人が。

VIP駐めのおかげで、VC-25とC-32は西日を浴びていい感じに光が当たり、しかも串刺しを避ける形で撮影できるようになっています。

この日の光線は本当に最高でしたね。

同じような写真しか撮れないのに、何枚も写真を撮ってしまいます。

たまたま隣の方と立ち話をしたところ、今回はトランプ大統領の降機の瞬間も撮影ができたようですね。降機の瞬間は撮影NGかと思っていましたが、その時によって違うみたいです。

トランプ大統領とメラニア夫人がタラップを降りてくるシーンを見せていただいて、感動しました。

この日は夜まで残ってバルブ撮影をした後、帰宅。

5月28日朝マリーンワンを撮影に

アメリカ大統領が来日する際に撮りたいのは、エアフォースワンだけではありません。大統領専用車・ビーストもそうですが、中でも撮りたいのはマリーンワン。

特に今回マリーンワンとして用いられているVH-60Nは、VH-3Dとともに相当古い機体。撮れるのは今回が最後かもしれず、何としても撮りたい!

トランプ大統領が帰国予定の5月28日は、赤坂からマリーンワンに乗り、横須賀へ向かって演説をした後に羽田へ向かう予定でした。

という事で、羽田でエアフォースワンを撮影する前に朝から赤坂へ向かい、マリーンワンの撮影に挑戦します。

しかし最近は情報が出回るのが早いですね!

1年半前はエアフォースワンとかマリーンワンの撮影にエアバンドとか必須でしたけど、今はtwitterでリアルタイムでかなり詳しく情報が流れてますからね。たった1年半で、情報のレベルが加速度的に上がってる気がします。情報化社会の波を感じますね。

さて、マリーンワンが来るのは東京のど真ん中、港区にある米軍基地・赤坂プレスセンター。通称『ハーディーバラックス』です。

名前は赤坂プレスセンターですが、住所的には六本木。東京ミッドタウンや六本木ヒルズが近くにあり、西麻布や六本木、南青山に囲まれた超一等地にあるヘリポート施設付きの米軍基地です。

ここも今回一気に有名になりましたね。

朝からハーディーバラックスを見渡せる場所に到着し、VH-60Nの到着を待ちます。

UH-1でしょうか。下を覗き込む隊員。

こんな都心のど真ん中で撮影することができるなんて、不思議な感じです。

ビルをバックにした絵は中々見られない光景ですね。

前回トランプ大統領が来た時はVH-3Dでしたが、今回マリーンワンとして用いられる機体はVH-60N。

前回と今回で、両方撮影する事ができました。

ビルをバックに到着するVH-60N。

1機目に続き、2機目のVH-60Nも到着。

トランプ大統領の到着に備えます。

そして15分ほどすると目の前の道路で警察官による交通規制が始まり、木の隙間から見えるヘリポートに車列が到着するのが確認できました。

トランプ大統領の乗る大統領専用車のビーストも見えます。

程なくして、VH-60Nが離陸しました。

ヘリはペラが止まらないようにシャッタースピードを遅くする分、飛行機より難しいですね。

今回は125分の1で撮影しました。

どちらのヘリにトランプ大統領が乗っているのかはわかりませんでしたが、VH-60Nを撮影する事ができました。

直後にはアメリカ陸軍のCH-47も到着。

天気も曇り、六本木ヒルズをバックにした写真は撮れずでしたが、VH-60NやCH-47を一応撮る事ができ、急いで羽田へと向かいます。

羽田に移動してエアフォースワンを撮影

28日は南風運用。羽田の運用から考えると、C滑走路16Lからの離陸が予想できます。

撮影候補地

  • 第2ターミナル
  • 浮島

16L上がりの場合、離陸を撮れる場所はこの2つに絞られますね。

第2ターミナルなら離陸滑走をグランドショット、浮島なら上がったところをスカイショットですが、今回は25日と同様に2タミで狙う事にしました。

2タミにした理由

  • ビジがいいとは言えず、距離を稼ぎたい事
  • 天気が微妙で曇り空バックのスカイショットよりは、グランドショットの方が絵になる事
  • エアフォースワンの左頭は撮ったので、右頭を撮りたかった事

上記のような理由から2タミで狙う事にしました。

羽田空港へ到着し、2タミへ向かうと既にかなりの人。しかし平日、天気も微妙とあって、初日よりは人が少ない状態でした。

なんとか窓側の場所を確保し、トランプ大統領の到着を待ちます。

窓から見える景色はどんより曇り空。

羽田のATISを確認すると、ビジは20kmでしたが、明らかに前回よりは霞んでおり、2タミで安パイかなという印象。

11時57分にCランクローズとなり、ランウェイチェックが入りました。という事でエアフォースワンの上がりはCランで決定。撮影条件は整いました。

Cランクローズに伴い、南風運用時は通常16Lから離陸する北方面行きの飛行機もA滑走路16Rから上がります。

エアフォースワンのC滑走路からの離陸に影響するため、D滑走路23も使用せず。そのため通常はD滑走路を使用する北からの到着機も、B滑走路22へ回されます。

12時07分にランウェイチェックが終了し、トランプ大統領の到着を待ちます。

予定では12時半頃にエアフォースワンが離陸の予定でしたが、どうやら遅れている様子。

離着陸をA滑走路およびB滑走路に制限しているため、羽田のトラフィックが混雑し始め、出発機が遅れます。データリンクによる出発承認がメインとなり、普段はすっかり静かになったクリアランスデリバリーも、この時ばかりは様子が違いました。

離陸待ちの機体が15機以上となり、管制官の方は大変だろうな思ってきた頃、12時45分にいよいよチヌークがC滑走路上へ到着します。

チヌークに続き、マリーンワンも到着。

そのタイミングで22へのアプローチに入っていたJAL506便およびJAL644便は、VIP制限のためミストアプローチ。

13時02分頃、トランプ大統領が搭乗したエアフォースワンは速やかに16Lへのタキシングを開始、撮影に備えます。

雨も降り出してビジも急速に悪くなる中、いよいよエアフォースワンは離陸滑走を開始。

まずはゲートブリッジとの絡みを狙います。

エアフォースワンが真横を通り過ぎ、スポッティングカットを回収。

初日の左頭の真横に続き、右頭真横も撮影することができました。

沖合いに見える滑走路23の進入灯をバックに、エアフォースワンはゆっくりとした機首上げでリフトオフしていきました。

エアフォースワンに続いてSAM45に離陸許可。

C-32も滑走路16Lから離陸滑走を開始しました。

B757の小さい機体はエアフォースワンよりも早い機首上げ。

真横辺りでノーズが浮き上がりましたね。

C-32は滑走路を3分の2ほどのところでエアボーン。

22への着陸機が続く合間のタイミングで、エアフォースワンとC-32は離陸していきました。

C-32が上がり、ヘリも帰投すると羽田空港は何事も無かったかのように通常のオペレーションに。

しばらくは離陸機の混雑が続きましたが、いつもの羽田の景色に戻りました。

マリーンワンの到着が少し遅れた事により多少の影響はありましたが、エアフォースワンの迅速な出発により、大きな混乱もありませんでした。

あっという間の4日間でしたが、VC-25、C-32、VH-60Nと狙い通り楽しく撮る事ができ、前回のリベンジを果たすことができたかなと思います。

中々普段見る事ができないエアフォースワン、また日本に来る機会があったらみなさんも撮影してみてください。

2017年11月5〜7日 トランプ大統領 日米首脳会談(横田)

飛来日 2017年11月5日〜7日
来日事由 日米首脳会談
大統領 トランプ大統領
使用飛行場 横田飛行場
使用機材 VC-25A(82-8000) VC-25A(92-9000)

2017年11月5日〜7日にかけてトランプ大統領が来日、日米首脳会談が行われました。それに合わせてエアフォースワンを撮影してきたので、備忘録としてブログに残します。

人生初のエアフォースワンの撮影でした。

事前準備

来日1ヶ月前の10月5日頃には来日予定と日程最終調整の報道がぽちぽち出始め、2〜3週間前辺りには来日日程が11月5日〜7日で確定との報道になりました。

今回のトランプ大統領の来日スケジュールは北朝鮮問題を協議するため日本、韓国、中国を歴訪する一環で、途中ハワイから日本に向かい、11月5日に到着、その日に安倍総理とゴルフを行い、6日に日米首脳会談、7日に韓国へ出発というスケジュールでした。

エアフォースワンを撮影するにあたって問題になってくるのがどこに降りてくるか

通常アメリカ大統領が国賓として来日する場合、羽田空港に降りるのが一般的
しかし今回は国賓ではないため横田基地も候補に上がっており、羽田空港か横田基地の2つに絞られました。

今回の場合、来日した日に埼玉の川越でゴルフを行うことが決まっており、距離や警備の面からも横田基地に降りてくる可能性が高いんではないか?という事で、横田に決定。

前日までに撮影場所の選定や横田基地の周波数、撮影機材の準備などを済ませます。

11月5日

そしていよいよ当日、朝一番の電車で横田基地の最寄駅である拝島へ向かいます。

拝島へ向かいながらトランプ大統領のハワイ出発の報道を検索し、出発時間から日本への到着時間を予想します。その結果、朝9時〜12時までの間には降りてくることが予想できました。

拝島駅に到着後、横田のATISを聞き、風向き、使用滑走路を確認すると36を使用しているようでした。

素直に36で待っていればよかったんですが、ここで非常に悩みました。というのも情報を集めると過去にエアフォースワンが横田を利用した際は全て反対側の18を使用していたため。

ググってみると多少の追い風なら18に降りてくるや、18に降りればすぐにスポットに到着できるからなど、それっぽい意見が。
今回エアフォースワンの撮影自体が初めてだったため、ググった情報を頼りに18降りにかける事に。

18降りを撮るべく基地の北側に向かいました。

北側に着くとすでにかなりの人が。大きな脚立を広げて待機している人も何人もいます。
ざっと数えたところ50人くらいはいたと思います。
多くのカメラマンが待機していることに少し安心し、私も撮影場所を決めて展開、18に降りてくることを祈りつつ待機しました。

横田基地の周囲はやはり警備も厳しく、50m置きくらいに警察官がおり、フェンス側には近づけない状態でした。私は脚立を持っていなかったため、空中は撮れても地上の転がりはフェンスが邪魔で厳しそうな感じです。

9時半頃になるとヘリが飛び始め、滑走路を点検しているようでした。そろそろかなという感じがします。

10時頃に無線が入り、エアフォースワンが呼ばれました。初めてのエアフォースワンのコールサインに感激!

しかし!!予測した18降りではなく、降りてくるのは反対の36側!

基地の反対側へ移動しようとも考えましたが、おそらく15分ほどで降りてくるであろうことを考えるとあまりにも時間がなく、最悪移動中に降りてきて全く撮れなくなってしまうことも考えられたため、降りの撮影は諦め、泣く泣くフェンス越しのタキシングを撮影することにしました。

そして遂に憧れのVC-25Aとフェンス越しに対面。

フェンスに近づく事が出来なかったためフェンスをボカすことができず、散々な絵になってしまいましたが、初めて生で見るVC-25はただただ感動でした。

映画でしか見たことのなかった機体が目の前に!

この時私の頭の中ではハリソン・フォードが主演の映画、エアフォースワンのテーマがずっと流れてました。

今回はVC-25が2機使用され、2号機(テールナンバー29000)にトランプ大統領が搭乗し、コールサインはエアフォースワンとなり、1号機(テールナンバー28000)は予備機として使用され、コールサインはSAM29000が使われました。

この機体は予備機で、本務機は次に降りてきます。

本務機を撮るためにダッシュで南側へ向かうも間に合わず。

そんなこんなで敗北感のまま、一旦昼食を取り、その後基地の南側まで移動し、駐機を撮れる場所を探しました。

横田基地の西側には南北に基地に沿って国道16号線が通っています。

基地の北側の国道16号線沿いは基地内を見渡せるんですが、国道16号線に沿って基地の南側に行くと基地の内部が建物で見えなくなってしまいます。

基地の最南端、滑走路エンド付近まで移動すると駐機中のVC-25が見えました。

撮影後はトランプ大統領を都内で降ろしたVH-3Dが戻ってくるのを待ち、18時前にVH-3Dが帰ってきました。

ペラカッチンに気をつけながら撮影し、VH-3Dも無事撮ることができ、この日は撤収。

11月7日

そして2日後の11月7日、トランプ大統領出発の日、リベンジをかけて横田基地へ向かいます。

この日の天気は快晴で、絶好の撮影日和。

トランプ大統領はこの日韓国へ向かい、昼頃に到着する予定だったので、午前中に横田基地を離陸することが予想できました。

朝7時頃に拝島へ到着、まずは駐機のエアフォースワンを撮影します。

今日の風は2日前と同じ北風でした。今回は風を信じて36からの上がりにかけます。離陸時の真横ショットを撮るべく基地の北側に移動するとすでに周りは多くの人。私も撮影場所を決めて待機します。

9時頃にはざっと見ても100人以上の人が集まり、みんなでエアフォースワンの離陸を待ちます。

エアフォースワンの前にSAMカラーのC-40Aが上がりました。

VC-25やC-32ほどではありませんが、これも普段は中々見れないのでラッキーでした。

そして10時過ぎ、いよいよエアフォースワンが動き出します。

無線でエアフォースワンへの離陸許可が出ると、みんな一斉にカメラを構えます。

フェンスの向こうの滑走路からエアフォースワンが見えました。

フェンスが入り込んだ。高さが足りない…。

初日と違って今回は一応撮る事ができ、青空の中飛んで行くエアフォースワンの姿を撮ることができたので、一応オッケーです。

すぐに2機目も離陸してきたので急いでカメラを準備し、離陸の瞬間をしっかりと撮ることができました。

これだけ間近でVC-25が見る事ができて、感激です。

2機とも飛び去った後は、最高の天気の中で離陸の瞬間に立ち会えたことにみなさん盛り上がり、中にはTVの取材でインタビューされている人などもいて、まるでちょっとしたお祭りのようでした。

初めて見た生エアフォースワン!

しかも地元である横田基地に降りてくるというところも感慨深いものがありました。

中々お目にかかることのできないエアフォースワン。1年に1度見れればいい方かもしれません。エアフォースワンがまた日本に来ることがあった時には、是非みなさんも撮ってみてください。

飛行機撮影入門ガイド。設定・構図などの基本から撮影テクニックまで!

2020年7月26日

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