一口に飛行機写真といっても、構図はいろいろ。
構図というと難しく聞こえるんですが、要は『その飛行機の何を撮りたいのか?』だと、僕は思ってます。
その飛行機の形式写真なのか、躍動感を出したいのか、その場所や雰囲気を表現したいのか?
ただ闇雲にひたすら撮ってても楽しいんですが、構図(テーマ)を意識して撮るだけで、飛行機写真はグッと良くなります。
飛行機写真は何を撮りたいか(テーマ)で構図は決まる
飛行機写真は、『何を撮りたいか?』で構図が決まります。
例えば珍しい飛行機が来てコレクションのために撮影するなら機体記号が映った真横からがいいですし、普段羽田に飛来しない飛行機が来たら羽田らしい景色と絡めたり。
この何を撮りたいかが決まらないと、写真のテーマがボケてしまうので、何を撮りたいのかを意識しましょう。
スポッティング
スポッティングは、飛行機写真の中でも最も基本となる写真。
機体記号(レジ)や塗装などを記録する形式写真で、真横から飛行機全体を入れた構図で撮影するのが基本。機体を真横から撮影することでどの機体も同じように撮れるため、記録写真に向いています。
スポッティングは収集心をくすぐられ、狙っていた機体が撮れた時の喜びは計り知れないものがありますね。
特別塗装や珍しい機体などが来た時は必ず撮っておきたいカットです。
左右のエンジンやギヤがぴったりと重なったタイミングを狙いましょう。
→飛行機撮影の基本『スポッティング写真』とは?撮り方から条件まで
- 飛行機の形式写真
- 機体記号を入れて真横から撮影
- 機体記号(レジ)・塗装を記録
飛行機の動きを表現してみる
スポッティングカットは記録写真的な要素が強かったですが、こちらは飛行機そのものをテーマとした写真。
この飛行機そのものをテーマとした構図は、機体の重量感や迫力、力強い動きを表現する事ができ、飛行機のかっこよさを最も引き出せることができるカットです。
ジェットブラストを曳きながら力強く浮き上がる離陸の瞬間や、タッチダウン時にタイヤから出るスモーク、逆噴射やスポイラーを使ってブレーキをかけたり、旋回時に背中が見えるほど大きくバンクする様子など、飛んでいる飛行機の様々なカッコいい瞬間を表現してみましょう。
スポッティングカットは機体の左右の動きだけですが、こちらは前後の動きも出てくるため、撮影の難易度は上がります。
前後の動きがあると距離が変化するのでピントの位置がどんどん変わってしまいますが、
AIサーボAFを使うと距離が変化しても常にピントを合わせ続けられるのでそれを活用しながら連写で撮影しましょう。
飛行機撮影では基本的にはコクピットにピントが合っていないと失敗写真となってしまいます。
私もたまにこの失敗をしてしまうんですが、後ろからの撮影ではエンジンからのブラストを拾ってピントがズレてしまう事があるので、コクピットへのピントが合うように意識して撮影しましょう。
→瞬間を切り取って飛行機の動きを表現。各シーンで撮りたい写真アイデア
- 飛行機の動きを表現した写真
- 動きを感じるシーンを切り取ろう
- 撮影するタイミングが大切
飛行機の一部を切り取る
飛行機そのものではなく、飛行機の一部分にフォーカスを当ててみるのもあり。
例えばコクピットにいるパイロットが手を振ってくれるシーンや、航空会社ごとに違う尾翼のロゴなんかを切り取ってみると面白いですね。
機体やウイングレットに描かれたキャラクターやイラスト、エンジン内のタービンブレード、機体に光が当たって照りが出る様子など、撮れる写真は無限大。
機体を隅々まで見渡して、かっこよく見えたり、面白い部分を切り取ってみましょう。
→切り取ってみると面白い。飛行機写真のあれこれ(塗装・エンジン・主翼など)
- 飛行機の一部分に注目
- かっこいい部分や面白い部分を探してみよう
景色の中の飛行機
今までは飛行機自体にスポットを当てた構図でしたが、景色の中の飛行機写真は風景や季節感などとの絡みを構図にした撮影方法。
カッコいい言い方をするなら『飛行機のある景色』を撮るイメージですね。
いわゆる絡み写真と呼ばれるやつで、その場所ならではの景色や季節感と絡める事で、作品的な写真となります。
その場所、その場の雰囲気がテーマになるので構図の自由度が高く、撮影する人のアイデア次第で色々な表現が可能なので、撮る人の感性が光るジャンルだと思います。
全国各地の空港にはその場所ならではの景色や建物などがあるので、それと絡めた写真を撮ってみましょう。
羽田だったらスカイツリー、冬なら富士山も見ることができます。千歳なら樽前山、沖縄なら青い海などなんかもいいですね。
また桜や紅葉、雪などは、季節感を出すのにぴったり。日本には素晴らしい四季があるので、それを写真に活かしたいですね。
景色の中の飛行機写真をかっこよく撮るなら、自分が表現したいテーマとの絡みを意識してみましょう。
→風景と絡めた飛行機写真。特徴的な景色や花、建物などと絡ませると面白くなる
- 景色や季節感をテーマにした写真
- 飛行機はあくまで脇役
- 『絡み』や『ならでは』を意識しよう
飛行機の構図の種類まとめ
飛行機写真の構図は、テーマ決めが大切。
どんな写真が撮りたいかを意識するだけで写真の表現が大きく変わるので、ぜひ構図(テーマ)を意識して、撮りたい写真をイメージしながら撮ってみてくださいね。
またかっこよく飛行機を撮るには撮影テクニックや構図だけでなく、太陽や天候など自然現象を味方につけることも重要になってきます。