政府専用機は日本版エアフォースワンのような特別な存在。
普段はなかなか見ることができないため、ぜひ撮ってみたいところ。
といっても政府専用機は定期便として飛んでいるわけでもなく、自衛隊機であるためフライトレーダー24にも映りません。
そこで今回は、政府専用機の撮り方を紹介します。
撮影場所や撮影方法、装備などをお伝えしていきます。
もくじ
日本の政府専用機
2019年4月に就役した、現在の政府専用機。
機種は777-300ER。
機体番号は80-1111・80-1112。
1992年から2019年まで運用された先代の政府専用機。
機種は747-400。
機体番号は20-1101・20-1102。
政府専用機のコールサイン
飛行機は航空無線で管制官と交信を行います。
飛行機にはそれぞれに呼び出される名前『コールサイン』が決められており、
訓練やフェリーフライトにおける政府専用機のコールサインは、『シグナス』です。
シグナス01やシグナス02と呼ばれます。
天皇陛下などの皇族や内閣総理大臣を乗せて外国へ飛ぶ、VIPフライト任務。
この時のコールサインはシグナスではなく、『ジャパニーズエアフォースワン』となります。
VIPフライトは基本的に2機で行います。
VIPが乗る機体を本務機、予備の機体を副務機と呼び、それぞれジャパニーズエアフォースワン、ジャパニーズエアフォースツーと呼ばれます。
政府専用機を撮れる場所
千歳基地
政府専用機を1番撮影できる機会が多いのは、北海道の千歳基地です。
政府専用機であるシグナスは、航空自衛隊の千歳基地の所属。
千歳基地にはシグナスの格納庫があり、普段は千歳基地で訓練を行っています。
千歳基地は新千歳空港の西側の隣にあり、新千歳空港とつながっています。
北海道の千歳基地まで撮影しに行く場合、首相や天皇陛下の外国訪問、羽田での整備、その他訓練でいない事もあるので、外交日程等をよく確認してください。
わざわざ北海道まで行ったのに、政府専用機がいないと結構悲惨。
シグナスの所在確認は、ヤフーのリアルタイム検索が便利です。
”羽田 シグナス”や”千歳 シグナス”等で検索すると誰かがTwitter等で目撃情報を上げてくれている事が多いので活用しましょう。
撮影しに行く日にシグナスがいる情報があった場合は撮れる確率が高いです。
便利な世の中になりましたね!
また毎年7月中旬から8月上旬に千歳の航空祭があり、そこでは必ず展示飛行と地上展示があります。
千歳航空祭に行けば確実にシグナスを撮ることができます。
羽田空港
政府専用機の整備は、747-400ではJALが担当していましたが、777-300ERの現行の政府専用機になってからはANAに担当しています。
整備の際は羽田空港に回送され、そこで整備を受けます。
整備で羽田空港に来るのは結構あるので、撮れるチャンスは意外とあります。
中々大変ですが、いつでも撮影に行ける準備をしておき、毎日情報をチェックして、情報が入ったら羽田空港にすぐ向かえる態勢を整えておくことで撮れる確率は高まります。
→羽田空港撮影スポットまとめ。各ポイントごとの特徴と撮影ガイド
また首相や天皇陛下が外国に訪問する際は、羽田空港から向かいます。
外遊の場合は政府専用機撮影の絶好のチャンス。
外遊は事前に日程が公表されることがほとんどなので、外遊の1ヶ月前から2週間前までには大体日程がわかります。
G7やG20、サミット、日米首相会談など外国訪問の機会は色々とあるので、普段から首相や天皇陛下の外遊のニュースをチェックしておきましょう。
通常は外遊に行く前日に羽田空港に到着し、外遊当日に羽田空港を出発、外遊から帰ってくる日に羽田空港に到着、その日か次の日に千歳基地に向けて出発する事が多いので、
外遊日程を知っていれば、羽田空港に政府専用機が来るタイミングがわかります。
外遊の前日に羽田に行けば着陸を、当日なら離陸を、帰国日は着陸と、もしかしたら離陸が、帰国日の翌日は前日に離陸していなかったら離陸を撮ることができます。
さらに外遊では訓練と違い、外遊の時だけの特別な写真も撮ることができるんです。
天皇陛下や首相が搭乗するVIPフライトでは、コールサインはジャパニーズエアフォースワンとなり、VIPが搭乗する本務機のコクピットには、国旗が掲げられます。
ジャパニーズエアフォースワンのコールサインをエアバンドで聴けるのはVIPフライトの時だけですし、
コクピットの旗出しは年に一度しかない千歳基地航空祭のほかは、VIPフライトでしか見ることができないので、とても特別感があります。
→羽田空港での政府専用機VIPフライトの流れと、必ず撮りたい3つの写真
政府専用機の撮影に必要な機材
カメラ
カメラは入門用からプロ用のカメラまで、基本的には一眼レフならなんでもOK。
APS-C、フルサイズどちらでも大丈夫です。
→CANON 7D Mark2レビュー。連写とAFに特化した飛行機などの動体撮影専用カメラ
→まだまだ現役!10年付き合ったからこそわかるCANON EOS Kiss X3の魅力
レンズ
レンズは400ミリ程度の焦点距離があれば、ほとんど対応できます。
明るい時間であればキットレンズでも十分撮影可能です。
エアバンド
政府専用機はフライトレーダー24に映らないため、撮影で用意したいのがエアバンド。
せっかく撮影に行っても、降りてくるタイミングがわからないとチャンスを逃してしまう事もありますよね。
エアバンドがあると、政府専用機の動きが手にとるようにわかるので、撮影のチャンスを逃しません。
もうひとつエアバンドの重要な役割が、使用滑走路がわかることです。
例えば羽田空港には滑走路が4本ありますが、どの滑走路を使用するかはわかりません。
羽田空港では滑走路の運用方法が決まっているのである程度は予想することができますが、最終的にはその場の状況と管制官次第。
→羽田空港の滑走路運用方法を解説。現在の使われ方と2020年3月末からの運用方法
通常の運用と違う滑走路に降ろす場合、エアバンドがなければ撮影機会を逃してしまいますが、エアバンドがあれば即座に移動し撮影することができます。
2万円あれば高性能のものが買えますし、エアバンドがあると撮影のチャンスが大いに広がるので、本格的に撮影するなら手に入れておきたいアイテムです。
→【完全版】エアバンド初心者のための航空無線使い方ガイド!今日から聴ける
その他あった方がいいもの
- エアバンドの交換用電池
- カメラの予備バッテリー
- 予備のSDカード
- 三脚
必需品というわけではないんですが、こちらも用意しておくと安心です。
短期戦のつもりが予期せず長期戦になった場合、特にエアバンドとカメラのバッテリー切れは起こる可能性が高く、用意したくてもすぐに用意できるものでもありません。
切れてしまうと撮影に支障をきたしますし、大きな荷物になるものでもないので用意があった方が安心です。
三脚は夜にバルブ撮影を行うつもりがあれば持っていきましょう。他の物と比べると荷物になるのでバルブ撮影を行う場合のみで大丈夫です。
政府専用機撮影方法まとめ
飛行機の中でも特別な飛行機である政府専用機。
タイミングがわかれば撮影するのは意外と簡単です。
撮りに行けるチャンスがあれば、ぜひ撮影にチャレンジしてみてください。