彼女とか彼氏とかもそうだと思うんですけど、付き合った当初は分からなかった相手の事も、長く付き合ってるとわかってくる事もありますよね。
それがいい所にしても、悪い所にしても。
今回は私が初めて購入した一眼レフカメラ『CANON EOS Kiss X3(キヤノン エオス キス X3)』について、
購入してから10年経ったからこそ気付いた魅力をご紹介します。
もくじ
それは一目惚れだった。CANON EOS Kiss X3との出会い
インスタ映えなる言葉がまだ存在しなかった約10年前、社会人になったばかりの私はまだフレッシュでした。
今でこそ仕事に対する出力はアイドリング状態ですが、当時まだ会社が嫌いではなかった新入社員の頃に、貰った給料の中から買った人生で初めての一眼レフが、この『CANON EOS Kiss X3』というカメラ。
コンデジが全盛期だった時代だったんですが、旅行好きだった私は、『旅行先で出会った素晴らしい景色を綺麗な写真で残したい!』という気持ちから一眼レフを購入しようと思いました。
まぁカメラといえばビッ◯カメラという事で、お店に行って一目惚れしたのがこのカメラ。
新入社員の安い給料(今も安月給)では手が出ないカメラが並ぶ中で、目に入ったのがEOS Kiss X3の値札でした。Wズームキットというズームレンズ2つとボディがセットで付いて10万円以下でしたからね。もう値段に一目惚れでした。
金かよっ!て感じですが、初めて買うカメラで10万円以上出すのはさすがにハードルが高いですし、KissシリーズはCANONの一眼レフの中でも入門機という事で、初めて買う一眼レフにもちょうどよかったんですね。
そんな値段と入門機という超単純な理由で選んだEOS Kiss X3だったんですが、それはもう使えば使うほど魅力のあるカメラでした。
CANON EOS Kiss X3の魅力
今私はフルサイズカメラのCANON EOS 6Dも持っているんですが、それでもEOS Kiss X3は手離せません。
それはエオス キス X3ならではの魅力もあるから。
10年も前のカメラですが、まだまだ現役で使えるパフォーマンスを持っています。
EOS Kiss X3の魅力
- 圧倒的な軽さ
- APS-Cで焦点距離が稼げる
- 高画質
- コスパ抜群
- キッドレンズも最高
特に私がエオスキスX3に感じた魅力はこのあたり。
驚くほど衝撃的な軽さ
まずこのカメラめっちゃ軽いんですよね。
その重さなんと480g。
動体撮影に人気のある7D MarkⅡなんかだと820gもあります。Kiss X3は7D Mark2の約半分弱と、驚くほど軽いんですよね。
軽すぎてこれでちゃんと撮れるの?と思うくらい。壊れないか心配になるほどの軽さなので、使ってると守ってあげたくなる気持ちが生まれます。
私は旅行や遠征に持っていくので、一日中持ち歩くカメラの中で軽さというのはやっぱり重要。
カメラ2台体制でもまったく苦にならないんですね。
APS-Cならではの焦点距離
私のメインは飛行機撮影。
大きく見える飛行機も、撮影では思ったよりも焦点距離が必要です。
フルサイズでは不足を感じる距離においても、APS-C機であればフルサイズの1.6倍の焦点距離で撮れるので、飛行機撮影では特に有利。
明るく撮れる昼間では、少なくとも私にとってはフルサイズもAPS-Cも目で見える違いは現れないので、距離を稼ぎたい時はEOS Kiss X3を使っています。
◆フルサイズとAPS-Cの違いについてはこちらの記事にまとめてあります⬇︎
10年前のカメラとは思えない画質
画質に影響を与えるもののひとつに映像エンジンがありますが、それも時代に合わせて進化しています。
EOS Kiss X3が発売されたのは今から約10年前の2009年。
X3は10年も前のカメラですが、最近のカメラとの画質の違いってパッとみてもわからなくないですか?写真を見ただけじゃ古いカメラで撮ったかどうかなんて少なくとも私にはわからないですね。
イメージセンサーも光の量が少ない高感度撮影では重要ですが、昼間の撮影ではフルサイズもAPS-Cも画質は変わらなかったりします。写真を見てもフルサイズで撮ったかどうかなんて普通にわからないですよね。
上の政府専用機の写真のように明るい時間帯においては、フルサイズとAPS-Cのセンサーサイズの違いすら感じられないのに、ましてや映像エンジンの新しさの違いは感じられないと思います。
カメラの機能は時代とともに進化していますが、根本的なものは変わっていません。バリアングルが付いたりとか、Wi-Fiでデータが送れるようになったりとか、そんなもんです。
EOS Kiss X3自体、元々画質に定評のあるカメラだったので、今の時代にも充分通用すると思います。
安いカメラ?コスパ最高でしょ
EOS Kiss X3はもう10年も前のカメラなので新品では買えません。
中古品を探してみると、カメラのキタムラでなんとレンズ2本付きで23,880円。
悲しいくらいに安い値段になってる…。もう叩き売りですね。
古いってだけで今では叩き売りされちゃってますが、10万出してマイクロフォーサーズのミラーレスなんか買うよりも、23,880円のKissの方が確実に綺麗に撮れますからね。
飛行機撮影では焦点距離400ミリは必要ですが、Wズームキットなら250ミリのAPS-Cで焦点距離が1.6倍になるので、400ミリ。
同じ400ミリの焦点距離を6Dとキャノンの100-400で揃えると35万円ほどしますが、kissなら同じレンジで撮れて2万円ちょっと。
暗い場所での撮影や、戦闘機のような秒間10コマなどの高速連続撮影が求められる場面では難しいですが、場面を選んで使えば昼間の撮影では2万円ちょっとのKissでも35万円のカメラとレンズで撮った写真と同等のものが撮れます。
叩き売りされ、高級カメラを使っている人からしたら馬鹿にされがちなKissですが、場面によっては高価なカメラとレンズに負けない写真を撮る事ができるKissは、私にとってはコスパ最高の相棒です。
ボディだけじゃない。キットレンズも最高だった
CANON EOS Kiss X3。キャノンの入門機であるEOS KissシリーズにはWズームキットというズームレンズが2つ付いたセットモデルがあります。
CANONの純正ズームレンズは、基本的に10万円以上する高級品なんですが、このキットレンズならボディに約1万円プラスするだけで付いてきます。
どデカイ高級レンズを付けた人に囲まれる中でキットレンズを使うのは恥ずかしいかもしれませんが、写真を撮るなら見た目じゃなくて出来栄えが大事ですよね。
キットレンズとはいえ、さすがCANONの純正品だけあって、レンズとしての機能と模写性能はピカイチです。マジで馬鹿にできないですよ。
まずは標準ズームレンズの18-55から。
フルサイズ換算で29-88ミリの焦点距離。CANONの24-70的な立ち位置ですね。
F4.5スタートと、大きなボケや明るさは我慢どころ。まぁ明るいレンズは高いですからね。
このレンズは絞って使いましょう。
10年前のキットレンズながら手ブレ補正まで付いています。すごくないですか?
標準ズームなので、使う機会は1番多いレンズでもあります。
ポートレートも撮れますが、開放が弱いのでポートレートよりも風景などを撮るのに抜群のレンズ。
こちらは望遠ズームの55-250。
フルサイズ換算で、88-400ミリですね。こちらはCANONの王道レンズ100-400と同じ立ち位置。
まず驚くのがそのサイズ感。100-400とほぼ同じ焦点距離なのに、サイズは半分以下。
USMを搭載した100-400と比べるとAFが少し遅かったり、暗い場面などではピントに迷う事がありますが、旅客機くらいの動体撮影であれば充分実用には耐えられます。
18-55と同様、手ブレ補正付きです。
絞って使えばカリカリに。
1万円で付いてくるキットレンズとは思えない画質ですよね。
気になる所もある。でもだからこそ自分も成長できた
完璧な人間などいないように、Kissもまた完璧ではありません。10年前の入門機ですからね。
使っていくうちに気になる点もありました。
EOS Kiss X3の気になる点
- マニュアルではISOオートが使えない
- 動体撮影は苦手
- 高感度撮影が苦手
気になったのはこのあたり。これはカメラの性能によるところなので、変える事はできませんよね。
でも気になる点があったからこそ、設定や撮り方を考える力がつきました。
マニュアル撮影ではISOオートが使えない。だから設定に拘るようになった
明るさが刻一刻と変わってくる夕方の時間帯。
シャッタースピードを少し落としたり、F値を一段落としたりして、ISOオートで撮ればそれなりに簡単に撮る事ができます。
でもEOS Kiss X3はマニュアル撮影だとISOが400に固定され、オートにできないという謎仕様。
絞り優先モードやシャッタースピード優先モードでは、ISOオートが使えるんですけどね。
6DとかでISOオートに頼ってると、たまに黒潰れや白トビしちゃう事があるんですが、Kiss X3ではマニュアルではISOオートが使えないため、小まめに試し撮りをして露出の確認をするクセがつきました。
その結果、ISOオートに頼らなくても、大きく露出を間違える事は無くなりましたし、適切な露出にするための設定も早くなりました。
戦闘機は苦手。でも旅客機なら撮れる
EOS Kiss X3は秒間3.4枚、連続撮影枚数が9枚と、連写性能は致命的。さすがに戦闘機は撮れません。
でも旅客機ならこの性能でも撮影は可能です。もちろん旅客機も撮影が難しいのには変わりがありませんが、その分シャッターチャンスに集中して撮影できるようになりました。
高感度撮影は苦手。でもバルブ撮影なら
10年前のカメラですし、そもそもセンサーがAPS-Cなので、高感度撮影は苦手。ISOを1600とかに上げて撮影するとガンガンノイズが出ます。
じゃあ夜は撮影できないの?というとそうでも無くて、バルブ撮影ならフルサイズと同じように綺麗な写真を撮る事ができます。
『高感度が弱い=夜は撮れない』
ではないんですね。性能に合わせて撮影方法を考えれば、撮れない事はありません。
10年付き合ったからこそわかった事
EOS Kiss X3を10年使い続けてきたからこそ、カメラに対しての考え方も生まれましたし、私もこのカメラと一緒に成長する事ができました。
その中で気付いたのが、カメラは使う人がちゃんと考えて使わないと思い通りには撮れないんだということ。
- 上手に撮れないのはカメラのせいじゃない
- 使う人がそのカメラの事を理解する
- 場面を選んで使う
上手に撮れないのはカメラのせいじゃない
カメラの性能は決まってます。自分が失敗した写真を振り返ってみると、カメラの故障ではない限り、上手に撮れないのは自分の設定や腕、カメラの理解不足のせいなんですよね。
例えば夜に手持ちでシャッタースピードを遅くしたらブレるのは当たり前で、これはカメラのせいではなくて自分の失敗。
夜にブレさせたくなかったら、三脚なりを使ってバルブ撮影してあげればブレる失敗は防げます。
使う人がカメラの事を理解する
カメラを使いこなすには、カメラの性能をちゃんと理解しないとダメですよね。
少なくともこの機種は連続撮影枚数が少ないとか、高感度が弱いとか、AFの設定とか。
例えば、連写しているうちに撮影枚数の上限に達して、本当に撮りたかった場面でシャッターが切れないとか、ISOを上げすぎてノイズだらけとかの失敗は、カメラの性能を理解していれば防げるんですよね。
場面を選んで使う
カメラにはそれぞれの個性というか弱点があるので、それを理解して使う場面を選ぶのが大切というのが10年付き合ってやっとわかりました。
例えばこのKissなら戦闘機撮影や暗い場面での手持ち撮影は避けるようにしています。
でもKissが得意な場面、例えば焦点距離が欲しい時や荷物を減らしたい時など、今でも場面によってガンガン使っています。
EOS Kiss X3と私のこれから
EOS Kiss X3は非常に残念な事に、2018年でCANONのサポートが終了してしまいました。
まあ10年も前のカメラですからね。CANONサービスセンターで簡易的な清掃などは行ってもらえそうですが、壊れたら最後です。
機械物ですからいつかは壊れてしまいますが、大切に使う事でその時期を遅らせる事はできます。
今では7D Mark2も10万円で買える時代。もう手離して乗り換える手もありますが、これだけ長く使っていると愛着も湧きます。何よりも使い慣れてますしね。
という事で、10年選手のEOS Kiss X3ですが、普段からしっかりとメンテナンスして壊れるまで使っていきたいと思います。
キヤノン エオス キス X3まとめ
カメラは新しいものが出ると乗り換えたくなるもの。でもちゃんと長く使っているとそのカメラの持ち味も出てきます。
大事に使ってる古いカメラで、いい写真が撮れたら嬉しいですよね。
古いカメラのレビューというのはあまり無いと思うので、魅力を長々と語ってみました。
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