現在飛んでいる世界中の飛行機の位置がリアルタイムでわかるフライトレーダー24というアプリ。
最近では嵐ジェットやフライングホヌの就航、エアフォースワンの飛来など、何かと話題になり、もはやフライトレーダーは国民的アプリといってもいいかもしれませんね。
今回はそんな飛行機が好きな人のための必須アプリ、『フライトレーダー24』について紹介します。
嵐ジェットの探し方やエアフォースワンの確認方法のほか、飛行機撮影での活用方法、米朝首脳会談時の北朝鮮の専用機の様子など、フライトレーダー24について、初心者の方にもわかりやすくお伝えしていきます。
フライトレーダー24とは?
フライトレーダー24は現在飛んでいる全世界の飛行機の位置をリアルタイムで教えてくれるアプリ。
飛んでいる飛行機が地図上に映し出され、航空会社、便名、機種、出発空港、行先、速度、高度などが詳細にわかるという、すごい機能を持ったアプリなんです。
2019年6月には日本語化対応となり、ますます使いやすくなりました。
嵐ジェットを探してみよう!
フライトレーダーのもつ多くの機能の中でも、1番使うのはお目当の飛行機を探す時。
例えば、JALのCMでも大活躍の、ジャニーズの嵐を描いた新しい特別塗装機『ARASHI HAWAII JET』は今どこ飛んでるのかなー?と思った時に、このアプリさえあれば飛んでる場所がすぐにわかるんです!
早速試しに探してみましょう!
お目当の飛行機を探すには、その飛行機の機体番号(レジ)を調べましょう。レジは識別番号のようなもので、世界にひとつとして同じものはありません。
レジはプレスリリースや機体の後部に書いてあるので、簡単にわかります。
嵐ジェットのレジはJA873Jでしたね!
これをフライトレーダー24で検索します。
上の窓をタップして『JA873J』と入力します。
『JA873J』と正しく入力できると、下に該当の飛行機が表示されるので、『LIVE』をタップしましょう。
現在その飛行機が飛んでいる場合、LIVEが表示されます。
嵐ジェットの詳細データが出ましたね!
ここで右下の『Show on map』をタップしましょう。これで現在嵐ジェットの飛んでいる場所が表示されるはずです。
嵐ジェットの位置が表示されました。
現在はロサンゼルスから関西国際空港に向けて、太平洋上を飛んでいるようですね!
このような感じで、知りたい飛行機のレジ(機体番号)さえわかれば、その飛行機が現在飛んでいる場所が一瞬でわかっちゃうんですね。
嵐ジェット以外にも、日本の空にはこんな飛行機たちが飛んでいます。
- JA602J ミッキー映画デビュー90周年
- JA381A フライングホヌ ブルー
- JA382A フライングホヌ グリーン
- JA812X くまモン
- JA743A C-3PO
- JA06RK さくらジンベエ
- JA05RK ジンベエジェット
気になるものがあったら、嵐ジェットと同じようにレジ(機体番号)を入れて検索してみてくださいね。
誰かのお見送りの場合は、その人が乗った飛行機の便名を検索すれば同じように出てきます。
レジや便名を入れて検索。これがフライトレーダーの一番基本の使い方です。
この機能はほんの一部で、フライトレーダー24では他にも色々な事を調べる事ができるんです。
フライトレーダー24の機能
フライトレーダーでこんなことが解かる!
- リアルタイムで航空機の位置がわかる
- 航空機をタップすると、航空会社、便名、出発空港、目的地、飛行時間、機種、レジ、速度、高度、飛行の航跡がわかる
- 空港をタップするとその空港の到着・出発ボードや、天気、風向きなどがわかる
- 過去のデータやフライトの航跡をプレイバックできる
- 航空会社や便名などで個別のフライトを検索できる
- 航空会社や便名、空港などで地図上に表示される航空機を絞り込んで表示できる
- 空を飛んでいる飛行機に向けてスマホをかざすとその飛行機のフライト情報を表示できる
なんとこれらの機能が全て無料で使えるんです!
ここまで色々と出来て無料というのは本当に驚きですね。
飛行機の位置がリアルタイムでわかる仕組み
管制官にしかわからないようなこんな情報を、なぜ一般人にも手に入れることができるのか不思議ですよね。
現在の航空機の多くはADS-B(自動位置情報伝送・監視装置)というのを搭載しています。
ADS-Bというのは航空機がGPSを使って自機の位置情報を正確に把握し、入手した自機の位置や高度、速度などの情報を地上の管制システムや近くの航空機に連続的に送信する装置です。
ADS-Bは近年航空機が急速に増え、航空機の安全性を高めるために新たな監視システムとして導入され始めました。
GPSを使っているので従来のレーダーと比べて精度が高く、近年急速に普及しています。
このADS-B装置の搭載はヨーロッパでは2015年、オーストラリアでは2017に義務化されており、アメリカ2020に義務化される予定です。
ADS-Bの搭載は日本ではまだ義務化されていないため、JALやANAなどでは国内線の古い機体は搭載されていないものも多いです。
フライトレーダー24がなぜリアルタイムの航空機の位置を表示できるかというと、近年多くの航空機に搭載され始めたこのADS-Bデータを受信することで、地図上に航空機を表示することができるようになっているからなんです。
フライトレーダーをよく見ている人はわかると思うんですが、JALやANAの機体が映らないことってよくありませんか?これは国内線用のボーイング767やボーイング777などの古い機体にはADS-Bが搭載されていないからなんですね。
過去には政府専用機(シグナス)も
日本の政府専用機であるシグナス。
フライトレーダー24は、戦闘機や輸送機などの軍用機は表示されませんが、各国の政府専用機の一部は表示されることもあります。
実は日本の政府専用機も2014年までは普通にフライトレーダー上に表示されていました。
しかし政府専用機の飛行状況がリアルタイムで見られるのは機密上よろしくありませんよね。
政府専用機が表示されていることを外部に指摘され、国がフライトレーダー24に表示しないように要請し、現在では表示されないようになっています。
しかし現在政府専用機やエアフォースワンなどはフライトレーダー24に表示されませんが、表示される国もあります。中国の政府専用機はエアチャイナのチャーター機を使用しているため、任務中であっても表示されることが多いです。
エアフォースワン自体は映らないが、フライトレーダーを見ればエアフォースワンが降りてくるタイミングがわかる
世界No1のVIP機であろうエアフォースワン。
当然エアフォースワンはフライトレーダー24には表示されないんですが、実はフライトレーダー上の飛行機の動きを見れば、エアフォースワンが降りてくるタイミングがバッチリわかるんです。
これは2019年5月25日にトランプ大統領が国賓として日本を訪れた時の様子。
16時47分。エアフォースワンが羽田の管制圏に入り、到着の約15分ほど前になると、エアフォースワンの使用する滑走路は完全にクローズとなります。
この日は南風運用で、B滑走路およびD滑走路が着陸に使われていましたが、D滑走路は閉鎖され、着陸はB滑走路のみに。
この時点で、エアフォースワンが降りてくる滑走路はD滑走路23に確定しました。
D滑走路はクローズされ、エアフォースワンの到着に備えるために滑走路上の点検作業が始まります。
16時49分。NH568便がホールディングパターンに入り、B滑走路の着陸コースに乗った機列の最後尾JL460便との間に間隔が生まれます。
エアフォースワンは保安上の理由から離着陸時、他の航空機の離発着を完全に停止させるため、このようにしてエアフォースワンの到着時刻に合わせて着陸機のタイミングを調整します。
16時56分、トラフィックの絶えない羽田空港で航空機の離発着が完全に停止しました。
このタイミングでファイナルアプローチコースに乗ったエアフォースワンに対してD滑走路23への着陸許可が与えられます。
エアフォースワンの到着はもう間近です。
程なくして、エアフォースワンが到着しました。ガラス越し&超長距離のため画質はお察し。
エアフォースワンは17時ピッタリに羽田空港のD滑走路23に着陸し、羽田空港のVIPスポットへと向かいます。
このようにして、フライトレーダー上には映らないエアフォースワンであっても、見方がわかればエアフォースワンの到着のタイミングがわかるんですね。
また次回エアフォースワンが来る機会があれば、フライトレーダーで到着を見届けてみてくださいね。
無料プラン・シルバー・ゴールドの違いは?
無料プラン
先ほど紹介したフライトレーダー24の機能を全て使うことができます。
シルバープラン
シルバープランは無料プランの機能に加えて、過去90日間のフライト履歴や、航空機のシリアル番号や使用年数などの航空機のデータがさらに詳細に調べられたり、スコークや降下率などフライトデータもさらに詳細に表示されるようになります。また検索やフィルターも無料プランより拡充しています。
料金は月額制で180円、年払いだと少し安くなり1140円です。
ゴールドプラン
ゴールドプランはシルバープランの機能に加えて、過去1年間のフライト履歴、雲や雨などの天気レイヤー、航空図、管制の境界などが表示されるようになります。
料金は月額450円、年払いだと3900円です。
おすすめのプランは?
無料プランで充分です。必要な機能は揃っていますし、これ以上の機能は私には使いこなせないかなと感じました。
料金を見てもコストに見合っている機能かというと、そうでもない気がします。
有料プランのこの機能がどうしても使いたいと思われたときに入れば問題ないと思います。
飛行機撮影での実践的な使い方
多くの機能があるフライトレーダー24。この機能をフルに使って飛行機撮影に活用しましょう。ここでは私が撮影の際によく使うやり方を紹介します。
私がよく行く羽田空港を例に説明します。
空港の風向き・天候を調べる
空港のアイコンをタップしWeatherを選択するとその空港の風向き、風速、天気などがわかります。
風と天気の情報は撮影する際に重要な情報です。民間のサイトから大田区の天気情報を調べるのはめんどくさいので、フライトレーダー24のアプリ内で調べられるのは非常に便利ですね。
使用滑走路を調べる
今日は羽田空港で撮影しようと思った時、どの滑走路を使っているかを調べる必要があります。
風向きから運用を予想することもできますが、フライトレーダー24の画面を見れば一発でわかります。
レーダー画面に映っている飛行機の航跡を見るだけでいいんです。これで使用滑走路がわかります。いちいち調べるよりも見るだけでわかるので一瞬ですね!
空港のフィルター検索でその空港に離発着する航空機がわかる
フライトレーダー24は多くの飛行機が表示されるため、羽田空港で撮影する場合は他の空港を離発着する飛行機は邪魔ですよね。
フィルターで羽田空港を指定すれば羽田空港を離発着する飛行機のみ表示されるので非常に便利です。
撮りたい塗装はレジ検索
例えば日本航空のディズニー35周年記念塗装の767を撮りたいと思った時はレジ検索が有効です。日本航空のディズニー35周年記念塗装のレジはJA612Jなのでこのレジを検索します。
そうするとその機体がどこを飛んでいるのかわかるので、羽田に向かっている時に行けば無駄足にならずに撮ることができます。
あの飛行機、今日はなんの塗装で来るかな?の時は便名で運用検索
これも例えば羽田12時15分に到着するルフトハンザの747でレトロ塗装か5スター塗装だったら撮りに行きたいなと思った時などに便名検索を使うと便利です。
試しにLH716便を検索してみると、5スターハンザでした!Show on mapをタップすると現在の飛んでいる位置がわかります。
なんて便利なんだ…。フライトレーダー24。
撮りたい機種は機種フィルターで検索
ボーイング747を撮りたいと思った時にフィルターで検索をかければ、ボーイング747のみを表示する事も可能です。
これを使えば他の機種は表示されず747のみ表示されるので、747狙いの場合には便利です。
この機能が空港フィルターよりも便利なのは行先未定の747も表示されるためです。中国やサウジアラビアなどの政府専用機の747はフライトレーダーに表示されますが、行先は不明と表示されます。
そのため空港フィルターで検索をかけると表示されなくなってしまうんですが、機種フィルターで検索をすれば表示されます。
なので政府専用機を見つける時に有効なんです。行先の表示がなくても航跡を見ればどこに降りるか予想できるので、サウジアラビアなどの政府専用機を撮影する際に便利な機能です。
到着時間を調べる
狙っている飛行機をタップすると遅延状況や到着予定時刻が表示されるので、ずっとカメラの準備をしておく必要がなくなります。
到着予定時刻に合わせて空港に向かえばいいですし、空港で時間がある場合は食事などに出かけることもできます。
試しにエールフランス272便をタップ。到着予定は2時間15分後のようです。これなら撮影前に食事に行けますね。
出発・到着予定を調べて撮影計画を立てる
空港をタップすれば出発予定の飛行機や到着予定の飛行機を調べることができます。
この機能の便利なところは何時にどの飛行機がどの機種で来るといった情報がわかるため、撮影計画を立てるのに役立ちます。
まずは空港アイコンをタップ。
出発機を調べる場合は下のDepartures をタップ。
すると羽田空港をこれから出発予定の便が出てきました。10時35分にはタイ国際航空683便バンコク行きの747-400が出発予定ですね。
チャーターされた海外の政府専用機を追いかける
日本の政府専用機やアメリカのエアフォースワンは軍用機のためフライトレーダー24には表示されないんですが、海外では政府専用機として民間機をチャーターする国もあります。
そういった場合はフライトレーダー24上で表示されることも多いです。
上の写真は日中韓首脳会談の際に、私が実際にエアチャイナのチャーター機をフライトレーダー24上で確認し、スクリーンショットで残しておいたもの。
フライトレーダーで機体の位置を把握することができたので、降りてくるタイミングがわかり、バッチリ撮影することができました。
このようにフライトレーダー上で機影を確認することができれば、撮影の強い味方になりますね。
これはシンガポールへ米朝首脳会談に向かう北朝鮮から出発したエアチャイナのチャーター機。黒い電話のようなイケてる髪型をした、北で1番偉い人が乗っています。
アメリカ大統領の乗っているエアフォースワンは映らないのに、北朝鮮は丸裸。
フライトレーダーから覗く格差社会です…。
ここまで丸見えだと、見ているこちらが心配になってしまいますね。
トラブルを起こした機体をプレイバックしてその時の状況を知る
撮影には使えないんですが、別な使い方をひとつ紹介します。
飛行機関連のトラブルはよくニュースなどで報道されますよね?日付と便名がわかればトラブルの際の航路なども簡単に調べることができるんです。
こちらの画像は2018年7月10日にエアチャイナが急降下した際の様子です。画像下のグラフを見てみると11時39分に35,000フィートから1万フィート辺りまで急降下しているのがわかりますよね。
今回のアクシデントは酸素マスクが降りてくるほどの急降下だったそう。怪我をされた方がいなかったのが何よりです。
このようにフライトレーダー24があればアクシデントの詳細を知ることも可能なんです。
おわりに
無料でここまで出来るフライトレーダー24、本当にすごいですね。正直無線がなくても民間機の撮影であればこのフライトレーダー24があればほとんどカバーできます。
私もこのアプリがないと撮影できないくらい重宝しています。
きっと撮影の強い味方になりますよ!