飛行機を撮影する上でマストアイテムとなるのがエアバンド受信機。
ただしエアバンド受信機は中々のマニアックアイテムなので、航空無線には興味あるけど受信機はまだ持っていないという人も多いんじゃないでしょうか?
もっとお手軽に航空無線を聴けたらなーって思いますよね。
そんな時に便利なのがLiveATC(ライブATC)。
LiveATC(ライブATC)なら、受信機が無くてもスマホだけで世界中の空港のリアルタイムな航空管制を聴く事ができるんです。
LiveATCは『一応航空無線が聴けるよね』のような、なんちゃってwebサイトなどでは無く、充分実用にも耐えられるものです。
今回はLiveATCの使い方や活用方法など、航空無線に興味がある人や、すでに受信機を持っている人にも役立つ内容をご紹介します。
もくじ
LiveATCとは
LiveATCは、世界中の空港のリアルタイムな航空無線が聞けるウェブサイト。
すでに受信機を持っている私も重宝しています。
LiveATCの機能
まず最初にお伝えしたいのが、LiveATCの充実したその機能。
LiveATCの機能
- LiveATCなら受信機が無くても聞ける
- 世界中の空港の航空無線が聞ける
- 日本で聞ける空港も多い
- ほぼリアルタイム(約30秒遅れ)
- 過去の交信を遡って聞ける
このように本格的な機能を持っているので、エアバンドに興味がある人にとっては航空無線の世界を楽しめますし、感覚を掴めると思います。
LiveATCで聴ける主な空港
日本では羽田・成田・伊丹・那覇・福島などの主要な空港のほか、嘉手納・普天間・横田などの米軍基地の交信を聴く事ができます。
世界中の空港は数え切れないほど。主要な空港でも対応していない場所もありますが、これだけの空港の無線交信を聴くことができるんですね。
LiveATCの使い方
それでは最初にLiveATCの基本的な使い方を紹介していきます。
さっそくLiveATCのwebサイトを開いてみましょう。
こちらがライブATCのトップページ。
ここから無線を聴きたい空港に飛びましょう。
- 空港コードから探す
- 地図から探す
空港を選ぶにはこの2つの方法があります。
空港コードから選ぶ
聴きたい空港の空港コードがわかる場合、コードから探すのが1番楽です。
空港コードは各空港毎に決まっているコードで、3レターコードと、4レターコードがあります。
羽田の場合、3レターならHND、4レターならRJTTですね。
トップページの左上、Airport/ARTCC Codeの検索窓に空港コードを入力しましょう。
コードは3レター、4レターどちらでもOK。
今回は羽田空港を聴いてみたいと思います。
羽田空港の4レター『RJTT』を入力して検索。
羽田空港のページに飛びましたね。
ここのページで、羽田空港の無線交信を聴く事ができます。
既にエアバンド受信機を持っている人には常識かもしれませんが、飛行機の無線交信というのは、それぞれ担当の部署がわかれています。
ここで主なものを紹介します。
航空管制の担当の種類
- デリバリー(スポットにいる飛行機に対して飛行計画を承認)
- グランド(地上走行する飛行機を担当)
- タワー(滑走路の離着陸、横断を担当)
- ディパーチャー(離陸した飛行機に対してコントロールに引き継ぐまでを担当)
- アプローチ(着陸する飛行機に対してタワーに引き継ぐまでを担当)
- コントロール(空港から離れた高空を飛ぶ飛行機を担当)
- ATIS(飛行場の情報提供)
それぞれの担当を一言で紹介するならこんな感じです。
この中から自分が聴きたいものを選びましょう。聴いていておもしろいのはタワーやアプローチですね。
LiveATCではアプローチとディパーチャーなど、複数の周波数にまとめられている事がほとんどです。
App/Depはアプローチとディパーチャーがまとめられています。試しにこれを聴いてみましょう。
緑の『LISTEN』をタップ。上下どちらでもOK。
例えば下のMP3ならこの画面が表示されます。
再生ボタンを押すと、ほぼリアルタイム(約30秒遅れ)で現在の無線交信が流れてきます。
初めて聴くと、管制官とパイロットの生の声にちょっと感動ですね。
地図から選ぶ
世界中ある空港のコード、いちいち覚えてられないですよね。
そんな時は地図から選ぶのが簡単です。
トップページからこちらの『LiveATC Feed Map』をタップ。
世界地図が表示されるので、この中から聴きたい空港を探します。青いピンが立っているのが交信を聴ける空港です。
ズームしながらお目当ての空港を探しましょう。
羽田空港のピンをタップすると『RJTT』の4レターコードが表示されるので、それをタップ。
羽田空港のページに飛びました。
あとは先ほどと同じように、聴きたい交信を選んで『LISTEN』をタップすれば、交信を聴く事ができます。
過去の交信を聞く
LiveATCは現在の無線交信だけでなく、過去の無線交信も聴く事ができます。
保存期間は約1カ月なので、1ヶ月以内の交信ならいつでも聴き直すことができるんですね。
今回は羽田空港のApp/Depの過去の交信を聴いてみたいと思います。先ほどと同じように羽田空港のApp/Depを探しましょう。
よく見ると緑のLISTENの下に『RJTT App/ Dep Audio Archives』の表示がありますよね。これをタップします。
画面が切り替わるので、聴きたい日付と時間を指定します。
今回は6月7日の16時頃の交信を聴いてみます。
①のカレンダーで日付を指定し、②で時間を指定します。
ここで大きな注意点があります。
聴きたい時間はGMT(グリニッジ標準時)・UTC(協定世界時)で指定する必要があります。
羽田は日本にあるので日本時間です。日本時間はUTCから9時間進んでいるので、聴きたい日本時間から9時間引いた時間をこちらで選択すればOKです。
今回は16時の交信を聴きたいので、16時から9時間戻した07時00分を選択。
これで16時からの約30分間の交信を聴くことができます。
LiveATCがあればエアバンド受信機はいらないか?
結論から言うと、趣味として本格的に飛行機を撮影するならエアバンド受信機は必須です。
ライブATCは素晴らしいWebサイトですが、完璧ではありません。エアバンド受信機と比べても物足りない点もあります。
LiveATCの気になる所
- 対応している空港しか聴けない
- 必要な周波数に絞って聴けない
- 自分で受信した方が音質は上
- 操作性とレスポンス
受信機と比べるとこの辺りが短所ですね。
LiveATCは世界の空港が聴けるとはいえ、千歳やセントレアなど、聴けない空港もまだまだありますからね。周波数がわかればせどこでも聴ける受信機には敵いません。
受信機なら『119.1と118.1だけ聴きたい』など、必要な周波数を絞って聴く事ができますが、LIVE ATCでは大雑把にしか選べません。なので、聞き漏らす事も多いです。空港近くなら、音質も自分で受信した方が上。
操作性も受信機ならダイヤルにより一瞬で簡単に周波数を変更できます。
このような理由があるので、飛行機撮影においてはエアバンド受信機は手放せません。
私の使い方
『じゃなんでエアバン受信機があるのにLiveATCも使うの?』って思いますよね。
そこで実際にエアバンド受信機を保有している私の活用方法を紹介します。
空港へ向かう車や電車の中で聴く
LiveATCのメリットは遠く離れた場所でも無線交信が聴ける事。
エアバンド受信機は基本的に空港から離れると聴く事ができません。
例えば撮りたい飛行機があって、自分が成田空港に向かっている最中という場面を思い浮かべてください。成田に着く時間は飛行機の到着ギリギリになりそう。そんな場面です。
あなたの目的の飛行機はA滑走路かB滑走路のどちらに降りるのかわかりません。
成田まではあと30分の距離。エアバンド受信機はまだ入感しません。そもそも金属で覆われている車や電車の中はエアバンド受信機の受信状態は非常に悪いです。
しかし、LiveATCならクリアに成田のアプローチを聴く事ができます。アプローチを聴く事ができれば目的の飛行機の着陸滑走路がわかりますよね。
そんな場面で私は使っています。
過去の交信を確かめる
- 無線を聴いてたら珍しい交信があった
- あの時なんて言ってたのかもう一度聴きたい
こんな時、普通はレコーダーなど使って録音していなければ、過去の交信を聴く事なんてできませんよね。
しかしエアバンドを録音できる環境を作るのは中々面倒くさいです。
しかしLiveATCであれば、いつでも好きな空港の好きなゾーンの過去の交信を聴く事ができるんです。こんなに便利な機能は、LiveATCにしか真似できません。
ただし、聴く事ができるのは約1ヶ月前までなので、気になる交信内容があるなら、データが消去される前に早めに聴いてくださいね。
おわりに
LiveATCは手軽にエアバンドの世界を楽しむ事ができるので、航空無線に興味がある人はぜひ聴いてみてください。
今までエアバンドを聴いた事が無かった人も、一度聴いてみると新たな世界が広がりますよ!