エアバンドレシーバーの中でも、初心者に大人気のベストセラー機種がアイコムから発売されているIC-R6。
でもエアバンド初心者にとっては、初めてのレシーバーって難解そのものじゃないでしょうか?
私が初めてこのIC-R6を購入したときは、分厚い説明書を読んでみても知らない言葉ばかりだし、いきなりエアバンドレシーバーを使いこなすのって結構ハードルが高いなと思ったんですよね。
そこで今回は、エアバンド初心者にもすぐに使えるようにIC-R6の使い方をわかりやすくまとめてみました。
IC-R6を使ってできる事、各ボタンの説明や実際の操作方法などをお伝えしていきます。
この記事を読めば、IC-R6の使い方がマスターできるので、ぜひ私と一緒に使い方を覚えて、快適な飛行機ライフを送りましょう!
もくじ
IC-R6で出来ること!レシーバーの基本的な機能

エアバンド受信機であるIC-R6を使いこなすには、まずレシーバーの基本的な機能を知る事が重要です。
エアバンド受信機の基本的な機能や、出来ることについては以下の記事にまとめてあります。
そもそもエアバンドレシーバーの機能がわからないって方や、エアバンド超初心者の方はこの記事から読むと理解が進みます。
『エアバンドの基本!受信機(レシーバー)の機能をわかりやすく解説』
IC-R6でできること
- 自分で周波数を合わせて聞く
- よく聞く周波数を登録
- 登録した周波数をグループに分けて管理
- 複数の周波数を同時に聞く
- 知らない周波数を発見する
IC-R6を使えば上記のような事ができるようになります。
各ボタンの説明

IC-R6の各ボタンを説明します。
IC-R6の各ボタン
- FUNCキー このキーを押しながら操作する事で同一のキーで2つの機能が使える
- スケルチキー 受信時のノイズを制御
- ボリュームキー 音量調整
- BANDキー 周波数帯やバンクの切換
- TS SETキー 周波数ステップの切換
- ダイヤル 周波数やチャンネルを変える
- MODE SCANキー AM・FM・WFMの切換やスキャンの設定ができる
- V/M S.MWキー VFOモードとメモリーモードの切換やスキャン時のスキップ設定ができる
- PWRキー 電源のON/OFF
各ボタンは短く押すのと長押しで機能が変わります。特に⑧のV/M S.MWキーの長押し操作は周波数をチャンネルに書き込むモードになるため、意図せずに必要な周波数を上書きして消してしまう恐れがあるので特に注意してください。
操作方法

それでは実際のIC-R6の使い方について説明します。
自分で周波数を合わせて聞く(VFOモード)
VFOモードは自分で周波数を合わせて聞く、最も基本的なモードです。
例えば、羽田空港でタワーの周波数である118.1に自分で合わせて聞くのがこの方法です。
①『V/M』キーを押して、VFOモードを選択。(液晶右側にMRの表示がない状態)
②『BAND』キーを複数回押して、自分が合わせたい周波数に近づける。(BANDキーを押すことで周波数を非常に大きく変えることができるので周波数を合わせるのが楽)
③ダイヤルを回し、目的の周波数(118.1)に合わせる。(この時『FUNC』キーを押しながらダイヤルを回しすと周波数を大きく変えられる。)
④電波形式(AM・FM・WFM)を合わせる。(電波形式はレシーバーが自動で合わせてくれるので基本的には操作不要。合っていない場合は『MODE』キーを複数回押して合わせてあげる。)
航空無線は全てAMなので、AMになっている事を確認して下さい。
羽田空港の近くにいればこれで聞けるはず。
チャンネルを選んで聞く(メモリーモード)

メモリーモードは、レシーバーに登録してある周波数(チャンネル)を選んで聞くモードです。
例えば、羽田空港のタワー周波数である118.1がAバンクの01CHに登録してあるとして、そのチャンネルを選んで聞くのがこの方法です。
この方法はチャンネルを選ぶだけですぐに聞く事ができるので、周波数を合わせる手間がかかりません。(聞きたい周波数を事前にチャンネルに登録する必要があります。)
①『V/M』キーを押して、メモリーモードを選択。(液晶右側にMRの表示がある状態)
②『BAND』キーを複数回押して、自分が聴きたい周波数が登録してあるバンドを選ぶ。
例としてAチャンネルを選択。
③ダイヤルを回し、目的のチャンネルに合わせる。
例として01CHを選択。
複数の周波数を同時に聞く(スキャン)【メモリースキャン】

スキャンはチャンネルに登録してある複数の周波数を同時に聞くことができるモードです。IC-R6のメモリースキャン機能を使います。
スキャンの種類
- フルメモリースキャン(使用しない)
- フルバンクスキャン(使用しない)
- バンクスキャン(バンクに登録してある周波数をまとめて聞くときに使う)
- バンクリンクスキャン(複数のバンクをまとめて聞くときに使う)
スキャンにはこの4つがありますが、フルメモリースキャンと、フルバンクスキャンは使わないので覚えなくて大丈夫。てかほぼ使い道がありません。バンクスキャンとバンクリンクスキャンを覚えましょう。
バンクスキャン
バンク | チャンネル | 周波数 | 種類 |
A(羽田) | 1ch | 118.1 | タワー |
2ch | 119.4 | アプローチ | |
3ch | 121.7 | グランド | |
4ch | 126.0 | ディパーチャー | |
5ch | 128.8 | ATIS |
バンクスキャンはスキャンで一番よく使うモードです。バンク内に登録した周波数をまとめて聞くときに使います。例えばAバンクに羽田の周波数を登録してあった場合、羽田のタワー、アプローチ、ディパーチャー、グランドなどを同時にモニタリングすることができます。その中で必要ない周波数はスキップさせることができます。
①『V/M』キーを押して、メモリーモードを選択。(液晶右側にMRの表示がある状態)
②『MODE』キーをピッ、ピーと鳴るまで長押し後、ダイヤルを回して聴きたいバンクを選択。
③ここで『MODE』キーを押すとバンクスキャンが始まります。
④再度『MODE』キーを押すと、メモリーモードに戻ります。
バンクリンクスキャン
バンク | チャンネル | 周波数 |
A(羽田) | 1ch | 118.1 |
2ch | 119.4 | |
3ch | 121.7 | |
4ch | 126.0 | |
5ch | 128.8 | |
B(東京コントロール) | 6ch | 113.7 |
7ch | 124.1 | |
8ch | 132.1 | |
9ch | 133.7 |
バンクスキャンは1つのバンクしかスキャンできません。それに対してバンクスキャンバンクリンクスキャンは2つ以上のバンクを同時に聞きたいときに使うモードです。例えば航空祭で基地の周波数とブルーインパルスの周波数をモニタリングしたい時や、羽田空港と東京コントロールをモニタリングしたいときなどに使います。
バンクリンクスキャンを行うには『リンクするバンクの選択』、『スキャンを始める』の2つのステップが必要です。
STEP1 リンクするバンクを選択する
①『TS』キーをピッ、ピーと鳴るまで長押し後ダイヤルを回して、B-LINKを選択。
②『MODE』を押したあと、ダイヤルを回してバンドを選択します。
③『FUNC』を押しながらダイヤルを回し、バンドのON/OFFを決めます。
④バンクリンクスキャンしたいバンドだけONにして、必要ないバンドは全てOFFにします。
⑤『TS』キーを2回押して元の画面に戻ります。
STEP2 バンクリンクスキャンを始める
①『V/M』キーを押して、メモリーモードを選択。(液晶右側にMRの表示がある状態)
②『MODE』キーをピッ、ピーと鳴るまで長押し後、ダイヤルを回して聴きたいB-LINKを選択。
③ここで『MODE』キーを押すとバンクリンクスキャンが始まります。
④再度『MODE』キーを押すと、メモリーモードになります。
知らない周波数を発見する(サーチ)【VFOスキャン】
サーチは知らない周波数を探し出す機能です。
例えばブルーインパルスの使用周波数を知りたい時や、海外に遠征に行ったときに周波数がわからないこともありますよね。
そんな時に周波数を見つけ出してくれるのがサーチです。
サーチの方法についてはちょっと長くなるので、次の記事にまとめてあります。IC-R6ではサーチとスキャンの違いを理解しないとちょっと混乱するので、それについても解説しています。
『アイコムIC-R6で周波数をサーチして発見する方法!遠征先で役に立つ』
プリセットは不完全!使いやすくするならカスタマイズ必須

IC-R6は予め豊富な周波数がプリセットされています。そのため購入後にすぐ使えるのが魅力です。
しかしそのプリセットをよく見てみると、
プリセットは使いにくい
- プリセットだと聞きたい周波数が入ってない
- 古い周波数が登録されている
- いらない周波数が多すぎ
などの理由で使いにくかったりします。
そこでぜひやってほしいのが、IC-R6のカスタマイズ。
データをリセットして、オリジナルのIC-R6を作るイメージですね。自分だけの一点物です。
やってほしいというか、これはほぼ必須だと思います。これをやるだけで、めちゃめちゃ使いやすくなります。
『アイコムのIC-R6が10倍使いやすくなる私流のカスタマイズ方法!』
おわりに
私が初心者の時にIC-R6を購入したときは、全然使い方がわからなくて難しいなと思ったんですが、実はそんなに難しくないので、ぜひ使い方をマスターして、飛行機撮影の良き相棒にしてあげてください。