飛行機撮影において、飛行機の動向を掴むカギとなるのが航空無線ですが、
そこで重要になるのが、周波数情報。
必要な周波数を知ってれば問題ありませんが、中には公開されていなかったり、非公開周波数を知りたい場合などは、自分で周波数を見つけ出す必要が出てきます。
そこで役立つのが、周波数をサーチして見つけ出す方法。
この方法がわかれば、例えば基地内周波数を調べたり、ブルーインパルスが使用する周波数を見つけたり、非公開周波数であるGCI波を探したり、遠征先などで知らない周波数を探すのに役立ちます。
今回はIC-R6を使用して、知らない周波数を見つけ出す方法を紹介します。
もくじ
IC-R6は名称がわかりにくい
IC-R6を購入して、まず多くの人が最初に混乱するのがこれ。
一般的にはすでに知っている周波数をモニタリングすることを「スキャン」、まだ知らない周波数を見つけることを「サーチ」と呼びます。
しかしIC-R6ではどちらもスキャンと呼ぶ(これが紛らわしい)ので、この事を予め知ってないと混乱するんです。
IC-R6での呼び方
- 一般的なスキャン(登録してある複数の周波数をモニタリング)=メモリースキャン
- 一般的なサーチ(知らない周波数を見つけたい)=VFOスキャン
IC-R6においてのスキャンは『メモリースキャン』と呼びます。
IC-R6においてのサーチは『VFOスキャン』と呼びます。知らない周波数を見つけるには、このVFOスキャンを使います。
IC-R6で知らない周波数を見つける方法【VFOスキャン】
知らない周波数を見つけるには、このVFOスキャンを使います。
VFOスキャンの種類
サーチ(VFOスキャン)には、下記の4つの種類があります。
VFOスキャンの種類
- フルスキャン(使用しない)
- バンドスキャン(プログラムスキャンの方が便利)
- プログラムスキャン(事前に設定した周波数間をサーチ)
- プログラムリンクスキャン(サーチ範囲が広くなりすぎるので使用しない)
エアバンドの基本となる航空管制官と航空機との通信に使用する航空管制周波数を知るには、「プログラムスキャン」を使うのが最も便利です。
という事で、まずはVFOスキャンモードのプラグラムスキャンを使って知らない周波数を探し出す手順を次に紹介します。
具体的な手順
知らない周波数を探し出すためには、VFOスキャンモードのプラグラムスキャンを行うのが最も便利です。
例えば、レッドブルエアレースなど臨時で使用される周波数や公開されていない周波数を知りたい時などに使います。
周波数を見つけ出すためには、『捜索周波数範囲の設定』、『プログラムスキャンの実行』、『オートメモリーライトで周波数を書き込み』の3つのステップが必要になります。
簡単にまとめると、捜索範囲を決めて、その中から見つけて、登録するって感じですね。
手順的にはちょっと複雑なんですが、周波数サーチを覚えるとエアバンドの幅がグッと広がるので、この機会に頑張って覚えちゃいましょう!
STEP1 捜索周波数範囲の設定(下限周波数と上限周波数を設定する)
①『V/M』キーを押して、VFOモードを選択。(液晶右側にMRの表示がない状態)
②周波数を118.0に合わせる。(電波形式はAM)
③『TS』キーを押し、ダイヤルを回してチューニングステップを25.0にしたら、再度『TS』キーを押して戻る。
④V/Mキーをピッ、ピーと鳴るまで長押しし、ダイヤルを回して01Aを選択したら、V/Mキーピッ、ピピと鳴るまで長押しする(周波数の下限設定が完了)
⑤周波数を142.0に合わせる。(電波形式はAM)
⑥V/Mキーをピッ、ピーと鳴るまで長押しし、ダイヤルを回して01Bを選択したら、V/Mキーピッ、ピピと鳴るまで長押しする(周波数の上限設定が完了)
STEP2 プログラムスキャンの実行
①『V/M』キーを押して、VFOモードを選択。(液晶右側にMRの表示がない状態)
②MODEキーをピッ、ピーと鳴るまで長押しし、ダイヤルを回してPROG1を選択します。
③MODEキーを押すとサーチが始まります。(P01が点滅)
④サーチを終了する時はもう一度MODEキーを押す。(P01が消灯)
STEP3 オートメモリーライトで周波数を書き込み
①サーチが行われている最中にV/Mキーを押す。
②MRが点滅し、感があった周波数が自動的に登録されていく。
③書き込みを終了するときはもう一度V/Mキーを押す。
これで周波数を見つけ出し、IC-R6に保存することができました。
見つけた周波数を聞く方法
次は見つけ出した周波数を聞く方法について説明していきます。
①『V/M』キーを押して、メモリーモードを選択。(液晶右側にMRの表示がある状態)
②BANDキーを押してオートメモリーライトチャンネルを選択。(AWが表示されるチャンネルです)
③AWチャンネルには見つけた周波数が登録されているので、ダイヤルを回していけばそれぞれの周波数を聞くことができます。
今後も必要な場合はチャンネルに登録しておく
見つけた周波数はAWチャンネルに保存されています。
AWチャンネルは一時保管用のチャンネルなので、見つけた周波数を今後も使用する予定であれば、空いているメモリーチャンネルに登録しておきましょう。
①AWチャンネルから登録したい周波数を選択する。
②V/Mキーをピッ、ピーと鳴るまで長押しし、ダイヤルを回して空いているチャンネルを探す。(ダイヤルを回している間、既に登録されている周波数が次々と表示されるので、ひたすら右に回して必ず空いているチャンネルを探しましょう。)
③V/Mキーをピッ、ピピと鳴るまで長押しして書き込む。
必要ない場合は必ず消去
①『V/M』キーを押して、メモリーモードを選択。(液晶右側にMRの表示がある状態)
②BANDキーを押してオートメモリーライトチャンネルを選択。(AWが表示されるチャンネルです)
③FUNCを押しながらV/Mキーをピッ、ピーと鳴るまで長押しすると、オートメモリーライトチャンネルに登録された周波数を全て消去できます。(1チャンネルずつの消去はできません。)
なんでプログラムスキャンが一番便利なの?それは航空管制に使用する周波数帯は世界共通で決まってるから
VFOスキャンで周波数の上限と下限を決めるときに、航空無線で使われる周波数帯を知っていると楽になります。
航空無線で使われる周波数帯は世界共通なので、海外に遠征に行った時もそのまま使えます。
航空無線で使われる周波数帯
- VHF帯周波数(118.0~142.0)
- UHF帯周波数(225.0~400.0)
VHFは民間機と軍用機に使われ、UHFは軍用機に使われています。
- プログラムチャンネルの01Aに118.0、01Bに142.0(民間機・軍用機用)
- プログラムチャンネルの02Aに225.0、02Bに400.0(軍用機用)
航空管制で使われる周波数帯は世界共通なので、これをプログラムチャンネルに登録しておけば、空港の場合はプログラム1を、基地の場合はプログラム1、2をプログラムスキャンするだけですぐに探し始める事ができるので便利です(GCI派の発見は2だけで充分)。ただしこれは航空管制に使用する周波数を探す場合。基地内連絡波など隊員間でのやり取りに使用する周波数は上記の範囲とは違いますし、知りたい周波数によってはAMではなくFMの場合もあります。非公開周波数を見つけた時の喜びは一味違うので、興味のある方は頑張って探してみてください。
おわりに
この方法をマスターできれば、知らない周波数をどんどん見つけられるので、遠征がとても楽しくなります。
周波数がわかれば撮影でも非常に有利になりますので、ぜひ使ってみてください。