よく飛行機ファンとの会話の中で聞かれる、機体記号やレジという単語ですが、
『機体記号やレジってなに?』って思ってる人も多いはず。
レジという言葉は初めてでも「JA002Cが退役」とか、「タイジャンボのスタアラ塗装 HS-TGW」だとか、謎の英数字の番号は見たことがあるんじゃないでしょうか。
これらは全て『機体記号』と呼ばれるもの。
ということで、今回はそんな飛行機の機体記号について紹介しちゃいます。
もくじ
飛行機の機体記号(レジ)とは
世界中を飛び交うたくさんの飛行機。
その1機1機に割り当てられる番号が、『機体記号(Aircraft Registration)』と呼ばれる番号。
機体記号は、機体番号やレジ番などとも呼ばれたりしますが、レジと呼ばれることが一般的。
例えば上記の写真のように、全く同じに見えるJALの767であっても実際はそれぞれ違うように、
通称『レジ』と呼ばれるこの機体記号は、世界中に何万機もの飛行機が飛んでいる中で、ひとつとして同じものは無い固有の番号で、
『飛行機のマイナンバー』のような存在。
同じに見える飛行機も、機体記号をみれば飛行機1機1機の歴史がわかるんです。
機体番号のある場所
機体記号の表記位置は決められており、飛行機の場合は、機体記号は主翼のほか、尾翼面または胴体面に表記されます。
機体記号を外から確認する場合、尾翼付近を見るのが見つけやすいですね。
主翼には、右翼上面と左翼の下面に機体記号が表記されています。
機体記号は国籍記号との組み合わせ
機体記号は、『国籍記号+登録記号』の組み合わせで構成されており、これは世界共通ルール。
国籍記号と登録記号の桁数(文字数)は国によって異なり、
日本の場合、国籍記号(JA)+登録記号(4桁)となり、『JA◯◯◯◯』といった表記になります。
日本の国籍記号は『JA』なので、日本で登録されている民間航空機は全て、JA◯◯◯◯になるって事ですね。
世界の国籍記号一覧
このように国籍記号は日本だけでなく、世界の国ごとに決まっています。
世界にあるメジャーな国の国籍記号を下記の表にまとめました。
アメリカ | N |
アラブ首長国連邦(UAE) | A6 |
イギリス | G |
イタリア | I |
イラク | YI |
イラン | EP |
インド | VT |
インドネシア | PK |
イスラエル | 4X |
ウクライナ | UR |
エジプト | SU |
エチオピア | ET |
オーストラリア | VH |
オーストリア | OE |
オランダ | PH |
カタール | A7 |
カナダ | C/CF |
韓国 | HL |
クウェート | 9K |
サウジアラビア | HZ |
シンガポール | 9V |
スイス | HB |
スペイン | EC |
タイ | HS |
台湾 | B |
中国 | B |
ドイツ | D |
トルコ | TC |
日本 | JA |
パキスタン | AP |
フィジー | DQ |
フィリピン | RP |
フィンランド | OH |
フランス | F |
ベトナム | XV |
ベルギー | OO |
ポルトガル | CR/CS |
香港 | B |
マカオ | B |
マレーシア | 9M |
南アフリカ | ZS/ZL/ZU |
メキシコ | XA/XB/XC |
ロシア | RA |
機体記号は飛行機だけじゃない
機体記号が付与されるのは飛行機だけでなく、ヘリコプターやグライダー、熱気球など、すべての民間航空機。
そのため、企業が保有する航空会社だけでなく、個人所有の航空機にも機体記号は付与されます。
個人所有の航空機の場合、コールサインが決められていないので、この機体記号をコールサインとして使用。
呼び出しの際は聴き間違えがないよう、フォネティックコードが使われ、
たとえば『JA71HU』なら、「ジュリエット・アルファ・セブン・ワン・ホテル・ユニフォーム」と呼ばれます。
軍用機は例外
日本で登録されている民間機にはJAから始める機体記号が表記されていますが、これは民間機のみ。
軍用機には機体記号ではなく、シリアルナンバーという番号が表記されます。
たとえば上の写真のC-1には、『98-1029』というシリアルナンバーが表記されており、JAナンバーではありませんよね。
シリアルナンバーは民間機の機体記号と違って国や軍隊ごとに付与ルールが違うため、民間機と比べるとかなり特殊。
同じ自衛隊の中でも、航空自衛隊機と海上自衛隊機では付与ルールが違うので、軍用機をシリアルナンバーで見分けるのは民間機よりも難易度は高めです。
機体記号を集めるスポッティングという趣味
機体記号を集めることは、スポッティングと呼ばれます。
機体記号は一つとして同じナンバーはないため、機体記号を集めることに喜びを感じるスポッティングは、飛行機撮影の世界でも根強い人気のジャンル。
好きな航空会社の保有機材をすべて集めたり、ボーイング747など好きな機種を追いかけたり、特別塗装機を集めたりと、スポッティングの楽しみ方は無限大。
スポッティング趣味を始めると、ただの記号だった機体記号は特別なものになりますよ。
→飛行機撮影の基本『スポッティング写真』とは?撮り方から条件まで
機体記号を調べ方
機体記号はひとつとして同じものはない、飛行機のマイナンバーのようなもの。
レジからその飛行機の歴史や情報を調べることも可能なんです。
機体記号から飛行機の情報を調べるには、プレーンスポッターズが便利。
プレーンスポッターズを使えば、気になった飛行機の機体記号を検索するだけで、所属する航空会社や機齢、渡り歩いてきた航空会社など、その飛行機固有の情報がわかるので、スポッターなら必ず利用したい便利なサイト。
プレーンスポッターズの使い方は、下記の記事を参考にして下さい。
→『Planespotters.net(プレーンスポッターズ)』の使い方と登録方法
機体記号(レジ)まとめ
ただの記号にしか見えない機体記号も、ルールや読み方がわかれば違ったものに見えてきますよね。
フライトレーダー24などでしょっちゅう調べてる機体番号なんかは暗記しちゃいますし、だんだんと愛着まで湧いてきたり。笑
飛行機趣味の世界では機体記号はよく登場するものなので、ぜひ機体記号の世界を楽しんでみてくださいね!
レジがわかれば飛行機がわかる!