飛行機の撮影は順光が基本。太陽の位置と光線を意識して撮影しよう

飛行機撮影で大切なのが、太陽との位置関係。

太陽を背にして飛行機にしっかりと光が当たる順光で撮影してあげることが、飛行機写真の基本ですね。

光線状態の掴み方で飛行機撮影は決まると言っても、言いすぎではありません。

それくらい飛行機撮影において光線は重要ということで、順光での撮影方法はマスターしておきたいです。

そこで今回は、順光で飛行機を撮影するための方法や、逆光との比較、撮影時の注意点について、僕が実際に撮影した写真を使いながら紹介したいと思います。

飛行機撮影の基本は順光

通常、飛行機を撮影する場合は、機体に光が当たる順光での撮影が基本。

順光で撮影するには、太陽を背中にした立ち位置で撮影することを意識しましょう。

太陽を背中にすれば、自分の正面に来る飛行機にしっかりと当たりますよね。

飛行機にしっかりと光が当たると、機体の塗装や質感など、細部の様子まで伝わり、グッと魅力的な写真になります。

順光と逆光との比較

飛行機撮影でなぜ順光での撮影が重要なのかというと、順光だと飛行機のディティールがしっかりと伝わるから。

上記の写真は逆光で撮影した写真ですが、露出を空に合わせると飛行機や背景が暗く影になってしまいます。

背景の森なんかは黒く潰れてしまって、本来の色がわかりませんよね。

機体に露出を合わせると、空や雲が白く飛んでしまいます。

写真も全体的に白っぽくなって本来の色があまり出ないですし、ふわっとした感じになっちゃいますよね。

こちらが順光で撮影した写真。

比べてみると違いは一目瞭然で、ディテールや質感、色の出方なんかを見ても、写り方が全然違いますよね。

本来の色で綺麗に撮るなら順光がベストです。

このように写真撮影では基本的に逆光は避けたいところですが、敢えて逆光の性質を活かして撮影する方法もあります。

午前は東から、午後は西から

飛行機撮影では、順光となる場所から撮影することが重要なので、太陽の動きに合わせて撮影スポットを移動するのがカギ。

太陽は東から昇って西へ沈むので、午前中は滑走路の東から、午後は滑走路の西側から撮影すると順光で撮影することができますよね。

例として、羽田空港A滑走路の飛行機を撮影する場合を考えてみましょう。

上記の図は、羽田空港A滑走路上を中心とした、時間帯ごとの太陽の動きを図にしてみました。

午前中はA滑走路の東側から撮影すると順光になるので、A滑走路の東側にある第1ターミナル展望デッキでの撮影がベスト。

第1ターミナル展望デッキは午前順光で撮影できるスポットなので、早朝に到着するタイジャンボを撮影するのにもいい撮影スポットですね。

午後はA滑走路の西側から撮影すると順光になるので、A滑走路西側から撮影できる第3(旧国際線)ターミナル展望デッキから撮影するとベストです。

このように太陽の動きに合わせて撮影スポットを移動すると、常に順光で撮影することができます。

昼よりも、朝・夕

飛行機写真の作品性は、光線の良し悪しで大きく変わってきます。

順光で撮影するのは基本なんですが、ベストな光線状態で撮るなら早朝や夕方が狙い目。

早朝や夕方は太陽の位置が低いため、機体の下側まで光が回るので、光の当たり方としては最高です。

昼間の順光も悪いという訳ではないんですが、同じ順光でも昼と夕方の光線状態の違いで、どこまで写真が変わるのかをちょっと比較してみましょう。

上の写真は、昼頃に撮影した写真。

順光で撮影しているので、これはこれで悪くはないんですが、時間帯がお昼頃のため太陽の位置が高く、機体の下側まで光が回ってませんよね。

ランディングギアも、影で黒く潰れてしまっています。

続いてこちらは夕方に撮影した写真。

どうでしょう?

比べてみると、夕方に撮影した写真の方が光の当たり方がいい感じがしませんか?

太陽の位置が低いので光が機体の下の方まで回り込み、ランディングギアにもバシっと光が当たっています。

横からも見てみても違いがわかります。

上の写真はお昼頃の写真。

これはこれで全然OKですが、ギアはやはり影になってますよね。

もうひとつ、お昼頃に撮影した別の写真を。

昼は光が上から当たるトップライトにもなりやすい時間帯。

上から光が当たるため、飛行機の水平よりも下部分とコクピットの広い部分に影ができ、光線状態がいいとは言えないですね。

それに対して、こちらは夕方に撮影した写真。

側面から機体全体に光が当たっているため、ランディングギアにも光が回り、ホイールの様子までわかりますよね。

塗装の色の出方やテリも、夕方の方が良く見えませんか?

太陽の位置が低い時間帯は、色が美しく出ます。

同じ順光でも光線状態でこれだけ写り方が変わるので、やはり作品性の高い飛行機写真を撮影するなら、太陽の位置が低い早朝や夕方がおすすめですね。

テリの瞬間を狙おう

順光では飛行機の側面に光が当たっているので、機体に光が反射して一瞬キラリと光ることがあります。

いわゆるテリと呼ばれる現象で、飛行機をカッコ良く見せる幻想的な瞬間。

このテリは、光が斜め方向から当たる斜光の時や、光が当たった機体を斜め方向から見ている時がわかりやすいです。

光が反射した機体は、ディテールや質感までしっかりと伝わってきますよね。

機体が光に反射するテリが出るのは一瞬ですが、その場所を通る機体を何機か見ていると、光る瞬間のタイミングをある程度予測することができます。

テリが出るのは一瞬なので、7D Mark2などの連写性能の高いカメラを使うのもおすすめ。

ある程度タイミングを予測し、連写性能の高いカメラを準備して、機体が光る一瞬を確実に逃さないようにしましょう。

それでもやっぱり難しい!って人は、慣れないうちは転がりや駐機中の機体のテリを狙うと簡単に撮影することができますよ。

露出オーバーに注意

順光で撮影する際に注意したいのが、写真の白トビ(露出オーバー)。

順光で撮影すると機体にしっかりと光が当たった状態となりますが、飛行機は白い塗装が多いので白トビしやすい被写体です。

特に先ほど紹介した、機体に光が反射するテリの瞬間なんかは非常に白トビしやすい状態なので、露出のコントロールは特に注意したいところ。

上の写真は、5スターハンザの白トビしてしまった写真。

青文字でhansaと書かれた左右をよーく見てみると、ゴールドで描かれた5Starの文字と、5つの星マークが白く飛んでしまってますよね。

飛行機はもともと露出オーバーになりやすく、光線が強い時は特に白トビしやすいので、少しアンダー気味に撮影してあげるのが白トビを防ぐコツです。

ISOをオートに設定するとカメラが露出を自動で調整してくれますが、飛行機のように白い機体は露出オーバーになってしまうこともあるので、

心配な場合は試し撮りを行うなどして、適切なISOを手動で設定してあげると安心です。

順光で飛行機を撮影する方法まとめ

飛行機をカッコ良く撮るには、光線状態を読むことが大切。

同じ順光でも、光の当たり方で写真は全然変わります。

特に晴れた日の早朝や夕方は、飛行機の横から光が当たり、かっこい飛行機写真を撮れるチャンス。

太陽の位置を意識して、撮影してみてくださいね。

飛行機撮影入門ガイド。設定・構図などの基本から撮影テクニックまで!

2020年7月26日

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